にっぽん歴史街道

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2011年9月8日

長崎街道〜異国の風が薫る道〜

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九州、長崎と小倉を結ぶ長崎街道。
江戸時代の鎖国で、唯一海外との窓口となった長崎・出島。
そこに異国からの驚きの文化が数多く到来しました。
それらはこの街道を通じて京、大坂、江戸へと渡って行きました。
異人が歩き、象が通り、舌をとろかせる砂糖が運ばれる道。
未知の世界を求めて若き志士たちが目指した道。
長崎街道はまさに好奇の心と新たな世界を結ぶワンダーロードだったのです。
開国、明治維新へとつながる日本の夜明けは、長崎と、この街道なくては語ることができません。
象が渡った橋、西洋の科学に取り組んだ湯の里、異人たちが感嘆した冥境の峠、
和と洋が綾なし、異国の風が薫る長崎街道を旅します。

常盤橋(ときわばし)

九州の玄関口、五街道の起点・終点で、その重要さから九州における日本橋に位置づけられていた。当時のままに木製の橋が再現されている。西詰の室町界隈はかつての商店・旅籠が並んだところ。この橋を江戸へ向かう将軍献上の象が渡った。何日も前からの場所取りなど物見の群衆で大賑わいだったという。
住所:福岡県北九州市小倉北区室町2
TEL:0186-63-0111

蘭学館(らんがくかん)

武雄鍋島家28代領主、鍋島茂義は長崎警備の任を通じて西洋の進んだ科学に感銘を受け、蘭学の導入に熱心に取り組んだ。武雄市の蘭学館には、日本初の西洋式大砲、日本初の牛痘、医療用ガラス器の製作、写真技術の研究など様々な分野に及んだ当時の資料が展示され、茂義の進取の志を今に伝えている。
住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄5304-1
TEL:0954-20-0222

冷水峠(ひやみずとうげ)

西の箱根と呼ばれた長崎街道髄一の難所。日差しも届かないうっそうとした山道が続く。途中にある地蔵堂脇に渓流が流れ、その水の冷たさが名の由来とか。江戸参府でここを通った偉人たちも、この沢水で喉を潤したであろう。1612年頃の開墾とされ、山道には当時の名残りを留める石畳が続いている。
住所:福岡県飯塚市内野と筑紫野市山家に跨る峠

今回訪れた街道

料亭 青柳(あおやぎ)

長崎の花街、丸山町で200年の歴史を持つ卓袱(しっぽく)料理料亭。木造の家屋は築100年を越える。幕末の英傑、大隈重信、井上馨も訪れたという。
住所:長崎県長崎市丸山町7番21号
TEL:095-823-2281

梅ヶ枝荘(うめがえそう)

長崎は大村の名物「大村寿司」を供する。別名シュガーロードとも呼ばれる長崎街道。出島を通じて到来した砂糖は、日本の食文化に大きな影響を与えたが、ここ大村のちらし寿司はすし酢に大量の砂糖を使った伝統の味。
住所:長崎県大村市玖島1丁目36(大村公園内)
TEL:0957-52-3523

香蘭社(こうらんしゃ)

300年の歴史を持つ有田の窯元・陶器商。八代目が明治初期、カンパニーを立ち上げ、万国博覧会出品などで評価を高め、有田の焼き物の海外進出を展開させた。歴史を経たコレクションが展示されている。
住所:佐賀県西松浦郡有田町幸平1-3-8
TEL:0955-43-2131