
2011年5月5日
かつて「水の都」と謳われた東海道の三島から
伊豆半島を縦断して南伊豆の下田へ至る下田街道。
幕末に、アメリカ初代駐日総領事ハリスが、
下田から二泊三日かけて三島に至った開国の道であるとともに、
川端康成の小説「伊豆の踊子」や岡本綺堂の戯曲「修禅寺物語」など、
数々の文人・墨客が逗留した修善寺、湯ヶ島等、
数々の名湯が街道沿いで湧いています。
三嶋大社の参道から南下して鎌倉、幕末、明治、昭和と
時代を駆け抜けた偉人たちの足跡を辿ります。
韮山にある「江川邸」は、天正18年から代々世襲代官を務めた屋敷。中でも江川太郎左衛門英龍(たろうざえもんひでたつ)(坦庵)は、名代官、幕末の先覚者と知られ、多芸多才ぶりから日本のダヴィンチとも称され、西洋砲術を採用した幕府が、鉄砲方に任命。攘夷を唱える坦庵のもとで、佐久間象山(しょうざん)を初め、4000人の門人が並んだ。
住所:静岡県伊豆の国市韮山韮山1
TEL:055-940-2200
天城峠に「天城トンネル」が開通したのが明治38年。湯治客目当ての旅芸人の姿も多くなり始めた大正7年、旧制第一高等学校2年で19歳の川端康成は、湯ヶ島で14歳の踊り子と出会う。そして、この天城トンネルを抜けて、下田まで「三泊四日の旅」を続けた。
日米和親条約の付属条約、「下田条約」がペリー提督と締結された場としても知られる国の史跡。隣接する宝物館には黒船・異文化交流関連史料が豊富。
住所:静岡県下田市七軒町3-12-12
TEL:0558-22-0657
新井旅館(あらいりょかん)
数々の国の登録有形文化財を有する修善寺の名旅館。明治44年に初演された戯曲「修禅寺物語」の作者、岡本綺堂がこの旅館で着想。
住所:静岡県伊豆市修善寺970
TEL:0558-72-2007
船原館(ふなばらかん)
天城船原温泉にある旅館で、天城山のわさびを使った新名物「わさび鍋」を考案したとされる。
住所:静岡県伊豆市上船原518-1
TEL:0558-87-0711
修善寺彫(しゅぜんじぼり)
いぶした竹の上に、あたかも毛筆で書いたかの如く彫刻刀で文字を彫る名人技で、好みの栞を観光客に彫ってもらえる。
※見学は要相談
住所:静岡県伊豆市修善寺935-9
TEL:0558-72-3922
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