番組のメールコーナーやHPに寄せられた質問に対するドクターからの回答を掲載しています。
(注:皆様から頂いたメッセージは番組やコンテンツに役立てるよう必ず目を通しておりますが、個別に返信・対応をお約束するものではありません。このコーナーに於きましてもすべての質問に対して回答を掲載するものではないことをご了承下さい。)
2005年7月24,31日OA テーマは『食物繊維』
Q:
79歳になる母が、お通じで悩んでいます。食事をすると、胸のあたりが詰まるような感じがして、コロコロした硬い便が少ししか出ません。食物繊維の多い食事をし、毎食後牛乳を飲むなど、本人は充分に気をつけているそうですが、一向に良くなりません。どうすれば良いでしょう?(51歳
女性) |
A: このような便通障害を生じる御高齢の方ですと、一にも二にも大腸の腫瘍の存在を考えなくてはいけない状態だと思います。便秘が若い頃からずっと続いていて年を取ってひどくなってくるという場合は、慢性便秘症である方もいらっしゃるのですが、特に御高齢の方で急に便秘になったり、あるいは便が出にくくなった、コロコロしてきたという症状が出た場合は、大腸のがんや大腸の左側にある直腸、S字状結腸に出来たがんによる症状であることがあります。ほとんどこういう症状を言われる方の90%以上は、単なる便秘症あるいは他の病気ですが、数%の方は大腸がんが疑われます。それも早期がんから進行がんに変わりつつある時にこういう症状が出てきますので、早く専門機関に行き、まずは大腸のがんを否定するような検査を受けて、その後薬の調整で良いでしょう。いきなりこういう時に薬で調整したり、また急に民間療法により時間を費やしてしまうのは危険な状態です。 |
Q:
子宮筋腫の治療で、一年前に手術を受けました。その後、ひどい便秘に悩まされるようになりました。お腹が張って、痛みも起こるため、3日に一度は下剤を飲んでいます。手術をしたことと関係ありますか?解消する方法はありませんか?(37歳
女性) |
A: お腹の症状が手術後に起こっていることから、やはり手術が原因で何か腸の動きを悪くしていることは間違いないでしょう。お腹の手術を受けた後で、腸の動きが悪くなる場合で一番多いのは腸閉塞、それも腸が癒着するために起こる癒着性の腸閉塞です。通常、婦人科の手術を受けられた後はあまり腸閉塞は起こらないのですが、この方の症状を聞きますとやはり手術後に腸が癒着して起こっていると考えられます。一度お腹の手術を受けると、腸の癒着は必ず起きます。腸の手術でも起きます。しかし、その癒着が体に何も影響を及ぼさないような癒着であれば全く問題はありません。実は、99%は手術を受けても何ともない状態で術後過ごされますが、この方のように半年や一年後の早い時期に症状が出てきた場合には、腸閉塞としてはかなり治療を要する状態です。 |
2005年7月10,17日OA テーマは『ビタミンE』
Q:
単身赴任中で外食が多く、食事が偏りがちなので、この一年毎日ビタミン剤を飲むようにしています。現在飲んでいるのは、マルチビタミンといって、いろいろなビタミンが入っているタイプです。さらに私はタバコを吸うため、先々の動脈硬化が心配なので、マルチビタミンとは別に、ビタミンEを多めに飲んでいます。もしも、より効果的な摂り方がありましたらお教え下さい。(43歳
男性) |
A: ビタミンを多めに摂っているというのは正しいことですが、まずタバコはやめた方が良いです。ビタミンEは食事からはなかなか摂れませんので、やはりサプリメントなどで多めに摂ることが大切です。より効果的なのは、ビタミンEは油に溶けやすいので、例えば錠剤のサプリメントを摂る時は、油の食事と一緒に摂ることです。吸収が良いので、空腹の時に摂るよりも非常に良い摂り方です。食事も、野菜を炒めたりしてやはり油と一緒に摂ることです。緑黄色野菜の天ぷらなどと一緒に摂ると非常に良いと思います。ビタミンEは油に溶けてゆっくりと吸収されるので、体の中でなかなか無くなりませんから、一日摂るのを忘れたからといって大変なことだというわけではありません。朝昼晩と絶えず飲まなくても一日くらい摂っておくと日持ちしますし、あまり気にせずに食事と一緒に摂っておけば良いというのが油に溶けるビタミンの特徴です。 |
Q:
私は紫外線に弱い体質です。日に焼けると真っ赤になり、シミやソバカスができます。日焼け跡やシミ、ソバカスに液状のビタミンEを直接肌に塗るのがいいと知人にすすめられましたが、そんなことをして本当に効果があるのでしょうか?(38歳
女性) |
A: あまり研究ではっきりしたものがないので、効果があるかないかは難しいです。ですが、抗酸化物質、ビタミンEなどは飲んでおくと体の中から抗酸化作用が働きますので、シミやシワを予防することはできます。ビタミンEは、中から摂った方が効きやすいと思います。どれくらい皮膚の中に吸収されるかということもありますし、表面に塗ってもそれで劇的な効果はあまりないでしょう。ビタミンCの場合は水に溶けていますので、皮膚に留まっているかもしれませんが、しかし何といっても紫外線を浴びないようにすることが一番です。紫外線を防ぐことが大切です。ですから、皮膚など紫外線に当たりやすいところには、抗酸化作用を持っているものを中から摂って中から予防することが効果的です。 |
※以前のQ&Aはバックナンバー化されました。
下記のバックナンバーをご参照下さい。
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