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2006年3月19日(日)、3月26日(日)
テーマは『体力と気力』
〈素朴な疑問〉
〜そもそも やる気って何?〜

データいつもやっている家事。ふだんならさっさと済ませているのにどうもやる気が出ない…具合が悪い訳ではないのにでも気力が湧かない。やる気が出ない。その「やる気」ってそもそも何?一体どこからわいてくるものなのでしょう?自治医科大学 脳神経外科 渡辺英寿先生は、脳腫瘍や脳出血を外科手術で治療するスペシャリストです!先生!やる気が出ないのは、データ何かワケでもあるのですか?そもそもやる気って何なんですか?私たち人間の脳を、こうやってスライスしていって・・真ん中まで達したところ、脳の中心にあるのが脳幹部、そしておでこ側、つまり前方にあるのが前頭前野です。この脳幹と前頭前野をつないでいるのが・・・データ脳神経細胞 ニューロン。脳幹部と前頭前野がニューロンによってうまくつながることで「やる気」が生まれてくるのです。ただし、つなげるためには、ある物質が必要。 それは、脳の神経伝達物質。ドーパミンを始め、私たちの脳には、データおよそ20種類の神経伝達物質が働いています。中でも「やる気」に関係が深いのがノルアドレナリン、セロトニン、そしてドーパミンの3つ。いずれも、脳幹部で作られ、ニューロンによって脳全体に送られていきます。ここで最も重要となるのが、データA10と呼ばれる神経。脳幹部から前頭前野まで走っているニューロンの通り道です。このA10神経をドーパミンが流れて、初めてやる気が出てくるのです!たとえば、「洗い物をしよう」と考えたとします。このとき洗い物をしようと まず考え始めるのは前頭前野です。その意志は信号となって脳幹に伝わります。データすると、脳幹ではドーパミンが作り出され、A10神経を伝わって前頭前野に達し、前頭前野を刺激します。ここで初めて「洗い物をする!」という行動に移るためのやる気が生まれるのです。もし、ドーパミンが放出されず、前頭前野を刺激しなければいつまでたっても 行動を起こす気になれない!つまりやる気がおこらないのです。データ前頭前野が刺激されないと、やる気は起きない。でも大切なのは、それだけではありません。やる気を支えてくれるのは、本能的な欲求です。この欲求がなければ、空回りしているだけでやる気は起こりません。やる気は、本能的な欲求と高度な精神力の相互作用で生まれます。
『気力』とからだ

データなぜか、やる気が起きない・・・。こんな時は、身体の調子もすぐれない。実は、やる気を失い、感情が落ち込んでいるときはその気分は、脳幹部にも影響を及ぼしています。脳幹は自律神経をコントロールしている所です。前頭前野の刺激が足りず、やる気が出ないと自律神経が、バランスを崩してしまうのです。データ自律神経が正常に働かないということは、交感神経と副交感神経の切り替えに異常が出るということです。夜、なかなか眠れなくなったり、めまいや頭痛を感じたり、さらに血流が悪くなり、肩がこるといった症状も起こります。自律神経は内臓の運動も制御しています。そのため消化器の働きが鈍り、食欲がなくなったり、便秘の症状が表れたりもします。さらに!データ自律神経は、私たちの免疫力にも影響を及ぼします。免疫力とは、細菌やウイルスといった病原菌から私たちを守ってくれる力。この免疫力が低下すると・・・細菌やウィルスに対する抵抗力は弱まり風邪をひきやすくなったり、様々な感染症にかかりやすくなりすぐに体力を落としてしまうことになります。実は自律神経のバランスが崩れているときは、脳の中の神経伝達物質が減少していることがわかっています。すると、データまたもや自律神経に悪影響を及ぼし、さらに体調が悪くなるという悪循環に陥ってしまいます。悪循環の大元となるのが…ストレス!脳の神経伝達物質や自律神経が影響を受ける最大の原因です!たとえば、会社で上司に注意されるとします。そのとき、脳の中でいろいろなことに考えを巡らすため、神経伝達物質を大量に消費してしまいます。すぐに気分を切りかえればいいのですが、そのことをずっとデータ考えていると…脳の神経伝達物質をさらにたくさん消費してしまい、脳幹部での生産が追いつかなくなってしまいます。神経伝達物質が足りないと、前頭前野に刺激が与えられずやる気が起きなくなる・・・ストレスを受けることで、神経伝達物質や自律神経が影響を受け、いつのまにか心身共に疲れ果ててしまうのです

『気力』と病気

データ人生そうそううまくはいきません。仕事で失敗してしまった・・・。失恋をした・・・。理由は人それぞれですが、だれしも落ち込むことはあります。しかし、いったん落ち込んだあと、大抵の場合は、気持ちを切りかえ、また元気に頑張ろうと、思えるようになります。データ気持ちが沈んだまま、なかなか回復しない・・・そんな状態が2週間以上続く場合は・・・「うつ病」の可能性が!実はこの「うつ病」という病気も神経伝達物質の減少、特にドーパミンやノルアドレナリンの働きの低下と密接に関係しています。ドーパミンは脳の中で、データ意欲を伝達してくれる物質です。一方、ノルアドレナリンは脳を適度な興奮状態にしてくれる物質です。このふたつの神経伝達物質が減ってしまうことにより、なんとなくやる気が起こらず、身体の調子が悪くなってきます。実際にうつ病の初期症状は、ほとんどの場データ合が身体の不調から始まっています。その症状とは・・・口が渇く、めまいや頭痛がする・・・食欲がなくなり、胃の調子が悪く便秘がちになるさらに、息苦しさを感じたり、動悸を訴えることも!「うつ病」の初期には、これらの症状が、いくつも重なって現れることが多いのです。最初は身体の不調を訴えるだけに留まっていたのがやがて、精神的な落ち込みに進行。すると・・・データ物事をやるのがおっくうになり、早くできない、集中力が落ち、他人といっしょにいたくなくなる、寝てもさめても悲観的なことばかりを考えてしまうと、日常生活に差し障るようになってしまいます。やる気が出ない、という状態からどんどんマイナス思考になり、精神的に追いつめられ・・・体力も気力も、とことん落ち込んでしまうのです。「うつ病」は病気ですから、やる気を出せばすむものではなく、一度なってしまうと、データ自分の力ではなかなかその状態から抜け出すことはできません。この、やっかいなうつ病になりやすいタイプとは!一言で言えば、真面目で融通が利かない人。例えばサラリーマンなら…他の人に仕事を任せられず、人の仕事まで抱え込んでしまうようなタイプです。最近は、会社をデータリストラされたことがきっかけとなりうつ病になってしまう中高年も増えています。これは、「リストラうつ」と呼ばれ、社会問題にもなっています。実は うつ病は、男性よりも感情豊かな女性の方が発症しやすい病気であることがデータに現れています。女性の場合、その原因のほとんどが対人関係。夫や姑と上手くいかないことなどが大きいようです
セルフメディケーションポイント!  

セルフメディケーション
〜からだにいい生活〜
データ心身ともに、へとへとに疲れている・・・やる気が全く起きない・・・実はこんな時、あることをすると気分はスッキリ、やる気も回復する、というのですが・・・。さて、夢のようなその方法とは!埼玉医科大学短期大学 和合治久先生は、あるものをつかって心と身体の健康を取り戻す研究をしています。今日もその効果について研究中!先生!気力を回復して、データやる気を起こす、というとっておきの方法を、ぜひ教えてください!モーツアルトのヴァイオリン協奏曲第4話 ニ長調 K.218 第3楽章です。研究の結果、特にこの曲がやる気と関係していると結論に達したそうです。 脳神経伝達物質の一つ、やる気に関係するドーパミンは、データアミノ酸を原料として作られています。もし、ずっと分泌し続けていると生産が追いつかず、いざというときに分泌することができなくなってしまうのです。そのため、ドーパミンを抑えるために、大切なのが、セロトニンを分泌すること!セロトニンはドーパミンの分泌を抑えるデータ働きがあるんです。さらにモーツァルトの効果がもう一つ!これは和合先生の実験データ。手の甲の温度から自律神経の働きを観察したものです。音楽療法を行った後、温度が上昇していますが、これは副交感神経が優位になったことを示しているのです。では、その効果をより上げるための方法をご紹介しましょう!データ大切なのは聞き方、リスニング方法です!私たちはたいていの場合、昼間に活動し、夜は寝ていますよね。普通は、身体が活動している昼は交感神経が、体を休めている夜は、副交感神経が優位に働いています。しかし、現代人はストレスにさらされているため、自律神経のバランスはデータ狂いがちです。夜も交感神経が優位となってしまい、不眠症で悩んでいる人が多いのです。和合先生によると、モーツアルトのバイオリン協奏曲は、副交感神経を優位に導き、心身ともに休めてくれるといいます。さらに、モーツアルトの曲はやる気を起こすおなじみの神経伝達物質に影響を与えています。この音楽療法の効果をよりあげるために大切なのが、その聴き方、リスニング方法です。データ私たちの脳には、聴覚以外にも視角、嗅覚、触覚といった様々な情報が絶えず入り込んできます。音楽療法の効果をあげるためには、耳からの情報に集中して、ほかからの情報をなるべくカットすることが大切。これを、「100%リスニング」と呼びます。やる気のスイッチを入れるために、まずは身体を休める。すると、やる気を促す物質、ドーパミンはより活発に働きます。モーツァルトでやる気を出す。どうぞ、お試しください!

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