番組のメールコーナーやHPに寄せられた質問に対するドクターからの回答を掲載しています。
(注:皆様から頂いたメッセージは番組やコンテンツに役立てるよう必ず目を通しておりますが、個別に返信・対応をお約束するものではありません。このコーナーに於きましてもすべての質問に対して回答を掲載するものではないことをご了承下さい。)
2002年11月28日OA テーマは『胃痛』
Q:
胃が痛くて内視鏡検査を受けましたが、胃に病気はありませんでした。薬を飲んで様子を見ながら、もう一度検査を受ける事になりました。でも痛みは続いています。次の検査までに気をつける事はありますか?(45歳
男性) |
A: 何も病変がなくても胃の痛みが出る、そういった状態もありえます。ただしこの方の場合、胃ではない、他の部位の可能性が強いです。注意する事としては、痛みが出る時間帯、食事との関係です。それをメモして、次回の検査の時にドクターに見せる、そういった事が大事です。また実際に胃が痛いと受診する患者さんに、痛いところを手で押さえてもらうと、胃よりもちょっと上、胸の近くを押さえる場合があります。そういった場合は狭心症なども疑われます。他にも真ん中よりもちょっと右に寄っている場合は胆石、逆に左に寄っている場合はすい炎、そういった病気も考えられます。とにかく痛いと思ったら出来るだけ病院に行き、内視鏡検査だけではなく超音波検査、心電図検査、そういったものも受けてみた方がいいと思います。 |
Q:
ここ2週間くらいお腹が痛いのに食欲が衰えず、たくさん食べてしまいます。2カ月くらい前から夜中に何度も目覚め、あまり眠れません。職場では落ち着かず、何度もトイレに行くようになりました。良きアドバイスをお願いします。(33歳
女性) |
A: こういった場合も出来れば病院へ行ってほしいのですが、この文面からすると、一番考えられるのはやはりストレス性の胃や腸の動きの不安定さからくる症状だと考えられます。精神的にストレスを感じますと、胃の動きだけではなく腸の動きも悪くなり、一日に何度もトイレに行き大きい方をする。逆に便秘になってしまう場合もあります。食欲があるから健康というわけではなく、ストレスによる過食状態、食べてストレスを解消するという方もいます。ストレスによって胃や腸の動きが不安定になり、それによって起こる病気が過敏性腸症候群といいます。実際にお腹の調子が悪いといって受診する患者さんの半分位はこれではないかと言われています。何も病変がないのに胃や腸の動きが不安定になり、下痢や便秘、そういった症状を繰り返す。若い方でも受験勉強、就職活動などの時にこの病気が起こりやすいです。しかし今はいい薬があり、動き過ぎる時は動きを抑え、逆に動きが悪い時は動きを良くするといったような両面性を持っている薬もたくさんありますので、あまり深刻にならずに一度病院で診てもらうのが一番良いと思います。 |
2002年11月14日OA テーマは『せき』
Q:
私の1歳になる娘は呼吸音に少しおかしな所があり、喘息になるかもしれないと先生に言われました。その後インターネットでいろいろと調べたのですが、喘息発作は本人も家族もとても大変だということが分かりました。何とか喘息を未然に防ぐ方法はないのでしょうか?(32歳
女性) |
A: 喘息の場合、特に聴診で小さいお子さんの呼吸音を聞くと少し『ゼーゼー』という音が入ります。いわゆる喘息様気管支炎という病態ですが、多くの方が6歳前後、少なくとも小学校高学年ぐらいまでに自然に良くなります。6割以上の方が良くなると思いますので、今はそんな焦らなくてもいいと思います。ですがもし喘息になってしまったらどうすればいいか。喘息というのは気道の炎症なのですが、それを治療する方法としては、吸入ステロイドというものを使うと非常に効果があります。昔、小児科の先生は小さいお子さんに吸入ステロイドを使うのを非常に怖がって使いませんでしたが、現在は一定の量で正しく使えば副作用、例えばお子さんの場合は成長の障害などは少ないです。未然に防ぐ方法はありませんが、もし6歳過ぎても喘息様症状が続くようなら、喘息を専門とする小児科の先生に診てもらうのが一番良いと思います。 |
Q:
1カ月ほど前のことです。出張から帰宅した夜に咳き込んだのですが、その時、少し血が出ました。その時はびっくりしたのですが、仕事が忙しくまだ病院には行っていません。その日以来、血は吐きませんが、長年タバコを吸っていますし、がんも気になります。何か病気の可能性があるのでしょうか?(58歳
男性) |
A: 血痰というのは結構多く見られますが、必ずしもがんとか結核というわけではないです。ですが勿論血痰が出る疾患として見逃してはいけないのが肺がんや結核ですので、そういう症状があれば必ず専門家に診てもらい、出来れば気管支鏡をやる。そして気管支の中までちゃんと見てもらうというのが大切です。ですが多くの場合はウイルス感染が長引き、強いせきをすると血痰が出る、血痰で外来を受診する8割ぐらいは感染症という方が多いです。ただし残りの2割の方は、やはりがんや結核がありますので、血痰が出たら呼吸器を専門とする病院で診てもらうのが一番肝要だと思います。感染症で血痰が出る理由は、どこに感染が起きても毛細血管の増勢が起こり、さらに強いせきで毛細血管が切れます。例えば心臓病で粘膜症があると毛細血管が気管支の中で増え、少しでもせきをすると毛細血管が切れ血痰が出る。ですから気管支の中の毛細血管が増え、そして強いせきをして毛細血管が切れ血痰が出るというのは割と多く見られます。ただ本当に見逃してはいけないのがやはり肺がんや結核ですので、血痰イコール検査という風に考えた方がいいと思います。 |
2004年11月7日OA テーマは『尿路結石』
ドクターQ&Aは、こちら
※3月以前のQ&Aはバックナンバー化されました。
下記のバックナンバーをご参照下さい。
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