基本の基
「醤油」基本の基
       
12月15日放送 (# 10)
 
「醤油 世界制覇への道」
 
 
<醤油のルーツ>
 紀元前8世紀の中国。周王朝の「周礼(しゅうらい)」という文献に、『醤(ひしお)』という文字が記載されています。
「醤」とは、動物・魚類の内臓や生肉、血、骨などを塩で漬け込み、発酵させたもので、大きく分けて4つの種類があります。
醤の種類  
 

肉醤(にくびしお)…鶏や獣の肉を発酵させたもの
魚醤(うおびしお)…魚介類を発酵させたもの
草醤(くさびしお)…野菜、果物などを発酵させたもの
穀醤(こくびしお)…米、麦、豆などを発酵させたもの
このうち、穀醤が醤油の原型ではないかといわれ、飛鳥時代に日本に伝わったと考えられています。

また鎌倉時代、宋に渡って仏教を学んだ覚心というお坊さんが、現在の和歌山県湯浅町あたりで、村人に味噌の製法を伝えました。そのとき桶の底にたまった液体が非常においしかったといい、これが、たまり醤油の始まりとも言われています。

 
 

<醤油 世界へ>
醤油はその後改良が重ねられ、江戸時代には本格的に生産されるようになりました。

江戸時代中期、オランダ人によって、アジアを経てヨーロッパへの輸出が始まりました。
フランスでは、宮廷専用の調味料として肉料理の隠し味などに珍重され、ルイ14世も大好きだったとか…

醤油の世界制覇への道のり

ルイ14世
 
 

さらに時は流れて1956年、アメリカ大統領選挙。
テレビの開票速報で、なんと15分おきにキッコーマンのコマーシャルが流れ、アメリカでの醤油人気が高まるきっかけになったと言われています。

アメリカ西海岸のスーパー店頭  

やがて海外での生産が始まり、現在ではアメリカ、中国、オランダなど、11の海外工場で生産をしており、100カ国以上の国で「Soy Sauce」として受け入れられています。
「Soy Sauce」のSoyは、大豆のこと。因みにフランス語では「Soja」イタリア語では「Soya」と呼ばれています。元々ヨーロッパには醤油を作れる大豆がなく、醤油専用の大豆として海外に輸出されて生産されたことから、醤油用の豆=Soy Beanと呼ばれるようになったそうです。

醤油 Soy sauce
 
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