<鴨(マガモ)はどこからやってくる?> 渡り鳥のマガモは、多くがロシアから、遠くは北極圏から、越冬のため9月から11月にかけて日本に飛んできます。 その距離約4000キロ!
<鴨の種類> 日本に渡ってくるものだけでも、マガモ、コガモ、クロガモ、オナガガモ等30種類います。そのうち、14種は狩猟鳥。 因みに日本に生息しているカルガモは渡りをしません。
一番美味しいといわれているのはマガモ。 鴨にも旬があって、脂肪がつく、冬のこの時期が旬です。
<マガモと合鴨とアヒルの三角関係> そもそも鴨とは、世界中に分布する“ガン・カモ”科の水鳥のことで、マガ モをはじめ、110種類にも及ぶ野生種。同じ科のガンよりも小型なのが特徴です。
野生のマガモのオスは、首の上部が濃い緑色をしているので「青首」とも呼ばれます。 肉は最も美味として知られるマガモですが、卵は、そう多くは産みません。そのマガモを、いまから3〜4千年前に改良して家畜化したのがアヒル。体が大きく、卵をよく産みます。交配を重ねたので、多くの品種がありますが、白い羽毛の北京ダックが、その代表種といえるでしょう。 そのマガモとアヒルを掛け合わせたのが合鴨なのです。
程よく脂が乗った美味しい肉と、卵もよく産む合鴨は、全国に普及して、今や日本料理には欠かせない食材となりました。 鴨にはネギ!というのが定番ですが、江戸時代には少し違っていたようです。 “芹の上 鴨昼寝してうなされる” “鍋焼きの鴨と芹とは 二世の縁”
と詠まれた川柳があります。この川柳でわかる通り、江戸時代、鴨と相性の良い食材は、ネギではなく、芹だったことがわかります。
さて海外での鴨料理といえば、やはりフランス料理。 なかでも1582年創業の「ラ・トゥール・ダルジャン」は鴨料理で有名なお店。 お客さんが食べた鴨は何羽目の鴨か…を記した「鴨カード」を渡しているお店としても知られています。 ここで初めて鴨を食べた日本人は、若き日の昭和天皇。鴨カードの番号は、53,211番でした。 「ラ・トゥール・ダルジャン東京店」では、この53,211番を、日本での最初の番号として発行し、現在24万番台になっています。