<野菜と果物のちがい> 野菜=一年草で、種まきから始める。苺の他に、スイカ、メロンも野菜に分類される。 果物=多年草の木になる実で、1本の木から何年も収穫できる。
<苺と日本人> 日本で最古の記録は平安時代。 清少納言の「枕草子」の中の記述。 「梅の花に雪がふりたる。 あてなるもの いみじう美しきちごの、 いちごなど食ひたる」 (現代語訳)「梅の花に雪が降るさまや、とてもかわいらしい子供がいちごを食べているところが優美」
<栽培された苺の歴史> 18世紀初頭、南アメリカのチリ苺がオランダで交配され、オランダイチゴが作られました。 江戸時代末期、1830年頃にオランダとの貿易によって、長崎に伝わりましたが、当時はあまり人々には認識されませんでした。
初めて栽培されたのは1899年(明治32年)。 宮中顧問官で農学博士の福羽逸人(ふくばはやと)子爵が、自ら設計したガラスの温室でオランダイチゴを改良し、皇室に献上したのが始まり。
今でも新宿御苑内に温室が残っています。
福羽博士はオランダから取り寄せた種子に改良を重ね、10年目にして日本の品種第1号を完成させたのです。 その名も「福羽苺」。別名「御料イチゴ」。 外来品種に比べると、大粒で肉質が良く、寒さにも強いため、冬でも実をつけるという優れた特徴をもっていました。 しかし門外不出だった為、一般に知られることはありませんでした。 「福羽苺」が市場に出回るようになったのは、宮内庁の許可を得た後の、昭和13〜15年頃。その後本格的に、静岡を中心に栽培が始まりました。 第2次大戦中は、デザートにしかならないようなものは作ってはならない! というお触れのために、生産がストップしましたが、戦後の復興と共に、「福羽苺」は全国で生産されるようになりました。 優良品種として改良されながら現在に至り、「福羽苺」から6代目にあたる「紅ほっぺ」は、人気品種です。
<世界の苺の生産量> 1位アメリカ 2位スペイン 3位日本 2千億円産業といわれている苺市場。苺の生食に関しては、日本の消費量は世界一です。