<豆と人との関わり> 紀元前5500年のアラビア。旧約聖書に、レンズ豆の逸話があります。 「エサウとヤコブの物語」は、双子の兄エサウが、腹をすかせて畑仕事から戻り、食卓についていた弟ヤコブに「そこの赤いものを食べさせてくれたら長子の権利を譲ってやろう…」と、家長の権利とレンズ豆の煮物を交換する…というもの。 大昔から、豆が食材として親しまれていたかがわかります。
<豆の種類と分布> 世界で食べられている豆は、約70種類。 主な豆の原産地は… ソラマメ、エンドウマメ、レンズマメ〜地中海沿岸から西アジア インゲンマメ〜中米・メキシコあたり 落花生〜南米・ボリビア、アルゼンチンあたり 大豆〜中国東北部
世界でも、多くの豆類を食べているのが、ベジタリアンの多いインド。 このインドを境に、豆の文化、食文化が東西に分かれます。 インドの東側、アジア全域に広がっているのが大豆文化圏。 その食生活は、米を作り魚を食べ、畑の肉といわれる大豆を栽培。それを発酵させ、納豆、豆腐、味噌、醤油といった加工食品を作りました。 一方の西側はレンズ豆文化圏(番組で命名!) 麦が主食で肉を食べ、発酵食品はチーズやヨーグルトといった乳製品です。 イタリアでは、大晦日の夜にレンズ豆の煮物を食べる習慣があるそうです。 このレンズ豆の歴史は非常に古く、普段我々が使っているガラスのレンズはこの豆に形が似ているから、その名がついたと言われているほど。
<日本人と豆文化> 現在、日本人が食べている豆は… ササゲ属〜あずき、ささげ インゲン属〜インゲン豆、ベニハナインゲン ソラマメ属〜ソラマメ エンドウ属〜エンドウマメ ダイズ属〜大豆 ラッカセイ属〜落花生
これほど親しまれている豆ですが、国内での自給率はわずかに7%! 生産するには、広い土地が必要で、ほとんどを北海道に頼っているのが現状。 北海道以外での豆作農耕文化が消えてしまうのではないかと、危惧されているのです。