何かと忙しい現代人。電車の待ち時間でうとうと、昼下がりの公園などで眠気が襲うことはありませんか?
でも何故人は眠るのでしょうか?
睡眠が最も必要なのは、実は脳なのです。脳の中でも体を動かしたり物事を考えたりする大脳皮質は働き者。休みが必要だというわけです。
例えば睡眠不足の時に起きる意欲の低下や、不快感は脳が「眠らせてくれ。」と言っている証拠と言えます。
100年程前、ロシアの科学者が10頭の子犬に何日も睡眠を与えない実験を行いました。すると4〜5日の内に子犬はみんな死んでしまったのです。
この時発見されたのが、子犬の大脳の神経細胞への変化でした。
大脳の神経細胞とは情報を処理する脳の要。
私達の笑いや怒りなど感情を表す他、生命維持に欠かせない情報も伝え合う器官です。
長い間眠らなかった子犬の死の原因は、この神経細胞の多くが傷つき壊れてしまったためだったのでした。
長時間起きていると大脳の神経細胞は「疲れたから休みたい」という合図を出します。すると脳幹、小脳などが睡眠誘発物質を出して大脳を眠らせるのが睡眠の本来の姿です。ところが、昼夜逆転の生活をしたり、睡眠不足や質の悪い睡眠をとっていると、脳機能の低下を引き起こしてしまいます。
身近で起きている居眠り運転などの悲惨な事故も、質の悪い睡眠による脳の機能の低下によるものなのかもしれません。
また、女性の気になる肌荒れも、睡眠不足で肌の細胞を修復する時間を奪われたのが原因のひとつと考えられます。
睡眠不足、満足のいく睡眠が取れない−睡眠障害が急増する現代社会。
睡眠時には成長ホルモンも分泌され、細胞を活性化させます。赤ちゃんはよく睡眠を取り成長ホルモンを分泌させますが、老人の睡眠は質が悪いと言われ、脳の老化を表していることが分かります。
しかし質の良い睡眠を取れば、体も脳も老化を遅らせることが出来るのです。
では質の良い睡眠を得るためにはどうすれば良いのでしょうか?
睡眠を取る必要とするのは脳。
眠れと指示を出すのも脳。
今回は脳と睡眠の謎を、徹底解明します。
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