BS-TBS

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放送番組審議会

第91回

2025/12

1.

日 時

2025年12月19日(金)午後4時5分

2.

場 所

BS-TBS会議室

3.

委員の出席

委員総数  8名
出席委員数 8名

 

出 席 者

委員長  出井直樹
副委員長 古川柳子
委員   瀬古利彦
     寺﨑明
     橋口いくよ
     斉藤実
     大友克之
     秋元里奈

 

局側

伊佐野  代表取締役社長
杉浦   取締役
森井   取締役
平賀   コンテンツ編成局長
秋山   番組プロデューサー
辻    番組審議会事務局長

4.

議 題

 

 

審議事項

テレビ番組
「25年目の恋〜もう一人の芳根京子、ローマへ行く〜」
放送日時:2025年12月14日(日)19:00〜20:54

5.

審議内容

午後4時5分 開会

◎局側

これより第91回番組審議会を始めさせていただきたいと思います。
トピックとしては、BS-TBSは12月1日に開局25周年を迎えました。2000年の12月1日に民放キー局系の5局同時スタートで、おかげさまで25周年を迎えることができました。

(1)審議事項

◎局側

今回ご審議いただきます「25年目の恋〜もう一人の芳根京子、ローマへ行く〜」も、開局25周年特番として、12月14日(日)に放送いたしました。
この番組はドラマと紀行の要素を掛け合わせたこれまでにない新しい旅番組をコンセプトに制作をさせていただきました。制作の指揮をとったのは、ドラマで数々の受賞作を手がけている新井順子プロデューサーと、新進気鋭の作家、金子玲介先生を筆頭に物語をつくり、紀行と掛け合わせていますので、多分見た方はいろいろな感想があると思います。

◎委員

今年は25年に1度のジュビレオで、イタリアがいろいろな旅番組で取り上げられている中、少し変わった切り口でやるのかと思い、楽しみに拝見しました。
ドラマパートと紀行パートが交互に展開される解説文があったので、きっちり変わっていくのかなと思いましたら、ドラマの中にトリガーとなるアイテムがあり、いつの間にか、紀行からドラマに戻るみたいな、すごく自然に行ったり来たりができていて、無理やり感がなかったと思いながら見ておりました。
紀行パートは、それだけで十分に番組として成り立つような感じで、旅情報番組としてもちゃんとしていたと思いました。ドラマ仕立てになっている分、お店の選定や、行ったところの選定に無理がなく、スッと入ってきたという意味で、これはすごくよかったと思います。
もう一つの要素として、芳根京子さんがドラマを演じているときの顔や話し方と、紀行パートの顔や話し方が、完全に仕事オフ感で話しているみたいな感じがあり、これが紀行パートに信頼性や真実性みたいなものを与えてくれたと思いました。
1つだけ言うと、なぜトリニタ・デイ・モンティで会ったのか。あの場所はスペイン広場の階段の上ですね。最後に3人が会話したのは、恐らくそのそばのピンチョの丘の公園だと思うのですが、バチカンから3キロぐらいあるので、バチカンで倒れた妊婦さんを介護するために公園のベンチによこたえるって、あそこでは絶対にないわけです。

◎局側

ご指摘はその通りで、3キロぐらい離れております。バチカン周辺での撮影が難しかったというのが一番の理由でございます。ただ、新婚旅行の途中で体調を崩して、結果くぐれなかったというところでご納得いただけるかなと判断し、あちらで撮影をさせていただきました。

◎委員

最後の丘の上の場面が、本当のドラマになっていくことにやはりギャップ感を感じないわけではなかったです。芳根さんの素の部分から、ドラマにスッと入って、ドラマの人物になって、また素に戻るみたいなところが、若干ぎくしゃくしていたところがあったと思います。
お店の方とお話をしてコアになるインタビューをするところで、カメラのカットを切って、ここから質問という形でなさったと思うのですが、その前のシーンとトーンが違っているみたいなところがありました。あの辺りがシームレスに行けば、スムーズにいったかなという気はしましたが、それは多くを望み過ぎかなと思いますので、おもしろく拝見させていただきました。

◎局側

今回の撮影は、ドラマの結末を芳根さんに全部伝えずに、台本を空欄にして撮影をしていました。シームレスにするための演出の1つとして、本人の素のリアクションを撮るということでした。ベネチアのお店で絵に気づいた瞬間も、途中まではドラマのカットですが、途中から本人が気づいたところを長めに使っています。また、最後の手紙を読むシーンで、翻訳の問題はありますが、初めて結末を知ったという素のリアクションを撮るというところを1つ意識しました。
ラストのドラマのシーンとのギャップや、それ以外もドラマとノンフィクションとのシームレスさをどうするかという点が、やはりこの作品の一番の課題であったところは制作チームも感じております。

◎委員

ドラマだけ見ますと、母親か父親がそういうことに巻き込まれたら行くかもという気はするけれども、叔母さんの話で、ローマまで本当に行くのかなと思いました。ただ、この番組自体、芳根京子さんのそういう魅力で、非常にうまくつくられていると思いました。
それから、タイトルをドラマのタイトルにするのであれば、ドラマがもう少し自然で、その中にうまく番組を入れるような感じがいいですし、やはり紀行番組の側面が多いとなれば、そちらが浮かび出るタイトルのほうが、あの中身だとすれば、いいような気がしました。番組表を見てチャンネルを合わせる立場から申し上げました。

◎局側

まさにタイトルは議論したところで、BSの通常の紀行番組ですと、「芳根京子イタリア聖年紀行」とか、そういうタイトルもありうると最後まで悩んだところです。今回は新しい座組で、少し違和感を与えたいというのが1つで、どんな世界が待っているのだろうという目次にしたく、最終的に今回のタイトルにしました。ご意見はもっともで、そういった意見もいろいろな方から伺っているので、今後検討しなければいけないと感じました。
母親だったら行くが、叔母さんだったらそこまで行くかというのももっともで、ここも悩んだところです。我々があえて叔母さんにした理由が1個ありまして、亡くなった方の足跡をたどる旅となると、最初に演者さんと話すときに、どうしても追悼といいますか、死を悼みながら旅をするという側面がでてしまいますので、そこの要素を少し薄めたい。関係性を少し薄めて、本人がその結論を知りつつ、旅も楽しむというバランスをとるところで、今回は叔母さんの設定で進めさせていただきました。ただ、どうしても動機としては弱くなるというのはおっしゃるとおりなので、改善点の1つだなと感じました。

◎委員

今までのみんなの旅番組という安心感を担保しながら、ストーリーを見せていくことに果敢に挑戦された番組という意味で、まずテレビ界の可能性を広げる番組だと大きく捉えました。
脚本の深度がこの地域にマッチしていなくて、もったいなかったと思いました。どなたが書かれたか知らずに見たのですが、男性が見る女性像という世界線で描かれている感じがしました。
制作側と何度も話し合って合っているかを深めていくことが脚本の作業だと思います。気になった点としましては、どのくらいコミュニケーションをとられて、どのくらい脚本を調整されたのかという点と、制作側はこの脚本に納得されているかという点です。

◎局側

脚本の深度、特に男性的な文章がというのは、我々もハッとした部分ではありました。今回、一番挑戦的な部分の1つとして、ナレーションをあまり使わない紀行番組というところにこだわりました。それはやはり没入感を下げたくないというのがありました。叔母さんの日記でいろいろ説明するという役割が比重としては一番大きかったので、そこに頭がいってしまいました。説明チックにならないよう、でも女性らしさもなくさないようにとしたため、過度に女性らし過ぎる文章になってしまったという点は1つあります。

◎委員

最後の結末はもっと大変なことが起こるのかなと思って楽しみにしていましたが、
意外とここで拍子抜けしたなというのはありました。ただ、2時間番組ではありましたけれども、長時間番組に堪え得る構成だったのかなと思っています。
日本から何人ぐらい行かれたのでしょうか。多分現地のカメラマンや、通訳がいたと思うのですが、向こうで何人ぐらい準備したのか教えて下さい。

◎局側

今回は少人数でやらせていただき、日本から行ったのは、私とドキュメンタリーパートの監督とドラマの監督とカメラマンの4人です。あと、現地のカメラマンが1人とコーディネーターが2人ついて撮影の段取りを行ったという形で、総勢16名くらいです。

◎委員

ストーリーの内容ですが、2時間という長い中で、最後のほうで急ぎ回収されたなと思います。最初に「なぜ2人は結ばれなかったのか」とか、「なぜ聖なる扉をくぐれなかったのか」という問題提起があってから、旅になり、その設定を忘れてしまい、後半に思い出して、画家のところぐらいから、「なるほど」みたいな感じでした。私は予告で泣くぐらい涙もろいので、最後は普通に泣いたのですが、もう少し最初から、なぞ解き的な感じで、少しずつ伏線回収されていく感じがあるとよかったと思いました。
例えば、この後、叔母さんは生涯独身を貫くわけで、その別れがなぜそうなのかなど、なぞがもう少し深掘りされて、要所要所に思い出すようなポイントがあると、飽きずに全体を見られたかなと思いました。

◎局側

おっしゃるとおりで、要所要所で思い出すポイントが少なかったところは、私自身
反省しているポイントの1つです。今回まず場所が決まって、そこから物語を考えて、
さらに伏線を考えたということもあり、仕掛けを入れ込むタイミングが遅く、最初か
ら想定して考えていれば、もう少し入れ込めたと思います。

◎委員

「25年目の恋」というタイトルについて、斉藤委員が聖年、ジュビレオの年だと言われていましたが、この25年を作品の中で表現しようとしたのか。あるいは、BS-TBS は開局25周年もかけて25なのかなとも思いました。
25年目の意味は、神の赦し、希望を分かち合う年という意味合いがあって、キリスト教の信者が、教皇からの免償というか、赦しを得ることができる。そういう大きな赦しにあずかる信者の視点から見ると、叔母さんが25年前に行ったときの状況と、例えば今回もたまたま25年目ということで、叔母さんはくぐろうと思って行ったけれども、くぐれなかった。くぐれなかったことが別れた原因になったのかと読む人もいるのかなとも思いました。
そういう神からの赦し、心の苦しみ、天国への導きみたいなことは、イベントを絡めたタイトル性があったとすると、伏線の回収ができなかったのかなと感じました。
ただ、日本人にそこまで理解を求めるのは愚問と思いますので、今回の作品はこれでもう十分に完成度が高い作品かなと思います。

◎局側

聖年の置き方は、撮影の制限があったので、膨らまし切れなかったというのが正直なところですが、1つ入れ込んだ要素として、ことしの聖年のテーマが「希望の巡礼者」で、そこの部分を少し印象づけて説明をした上で、芳根さんが最後のナレーションで「希望を胸に前に進んでいこう」と言い、そこのところで少しつなげていました。
また、赦しを得ることができるというのも、門をくぐる意味ではすごく大切なところではあったので、本当はもう少し脚本と深められたらいいと思いつつ、日本人にとって赦しが、簡単には説明と理解を得られない概念の1つというところもあり、今回のドラマと紀行の1つの挑戦の意図として、何かストーリーを持たせて印象に残し、興味を持って調べてもらったり、自分で実際行ってみたりするという深度を持たせるため、今回はあのような形で聖年を描かせていただきました。

◎委員

スカラ座、ベネチアンマスク、ガラス工房で、それぞれ芳根さんがお店の方に質問をしますが、その質問が全て画一的だったと思います。「これからどういうふうになればいいと思いますか」という質問が3つともあった。それが意図的だったのかもしれませんけれども、それに対する答えも全部一緒でした。この伝統を続けていきたいという答えだったので、画一的だからよくないということはないのですが、もう少しバラエティーがあってもよかったかなと思いました。
企画・取材と打ち合わせにどれくらい時間がかかったのでしょうか。

◎局側

制作期間ですが、この企画は4月から立ち上がり、作家の先生を探すところから始まりました。TBSと講談社さんと一緒に新しいものをつくるプロジェクトを進めており、講談社さんにご相談をして作家探しが今年4月末から始まりました。そこから作家の先生が決まり、物語の大枠とプロットが決まり、出演者さんに交渉したので、4月から始まって放送までに8カ月近くかかりました。

◎委員

バチカンが25年に1度扉があくというのは後から出てきた話ですか。

◎局側

それは最初にイタリアにした理由が、聖年の25年と開局25年と重なるというところで、イタリアがまず決まりました。

◎委員

こんなに質問攻めに遭った番組審議会はないと思います。すごく盛り上がりました。おもしろかったということです。ぜひ続けてもらいたいです。

◎局側

本日はお忙しい中お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。

 午後5時45分 閉会

*BS-TBSでは、番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。