BS-TBS

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放送番組審議会

第89回

2025/07

1.

日 時

2025年7月8日(火)午後4時7分

2.

場 所

BS-TBS会議室

3.

委員の出席

委員総数  8名
出席委員数 8名

 

出 席 者

委員長  出井直樹
副委員長 古川柳子
委員   寺﨑明
     瀬古利彦
     橋口いくよ
     斉藤実
     大友克之
     秋元里奈

 

局側

伊佐野  代表取締役社長
杉浦   取締役
平賀   コンテンツ編成局長
秋山   番組プロデューサー
辻    番組審議会事務局長

4.

議 題

 

 

審議事項

テレビ番組
 「伊集院光の偏愛博物館」
  第1回「時刻表ミュージアム(東京)」
放送日時:2025年3月16日(日)11:00〜11:30
  第2回「ならまち糞虫館(奈良)」
放送日時:2025年3月16日(日)11:30〜12:00

5.

審議内容

午後4時7分 開会

◎局側

 こちらの番組は、伊集院光さんが、何かを愛し過ぎてしまった人が設立した私設博物館を訪れまして、その博物館の展示物や館長さんとのお話を通して、その魅力を伝える教養バラエティー番組となっております。

◎委員

 最初はあまり興味なく見始めましたが、すごくおもしろかったので、どのようにこのテーマを選んだのかなと考えながら見ていました。
 改善点を挙げると、時刻表の基礎知識的な説明や、糞虫を集めるのはどれぐらい大変なことかなどについてもう少し深掘りして描かれているとよかったと思いました。また、館長の個人的なエピソードなどに触れられると、より感情移入できると思いました。

◎局側

 時刻表の基礎的な説明については、制作チームでも議論になりました。30分番組ですので、時刻表ができる前は、駅構内に貼られていたというワンカットを入れましたが、もう少し丁寧に説明をしてもよかったかなと感じました。
 館長さんの掘り下げポイントも手探りだった部分は反省点と思っていますので、今後は丁寧に伺いたいと思います。

◎委員

 伊集院さんが偏愛している方々にうまくお話をされて、グルーヴ感がある楽しい番組になっていました。
 エジプトのスカラベは天の川の光を道しるべに転がすというロマンある内容を少し紹介すると、私たちの生活と地続きになっておもしろさがより伝わると思いました。質問は、どのように偏愛者たちを探すのか、ネタが尽きることを想像しているかという点です。「偏愛」とすると、結構限られると思いますが、どのぐらいまで広げていこうとされるのか、ぜひ教えてほしいです。

◎局側

  ロマンのエピソードを入れることを議論しましたが、番組のコンセプトを、伊集院さんが博物館に行って、視聴者も一緒に入って順で見ていくことにしましたので、少し補足したほうがいい情報のみトッピングするというバランスで制作をしました。
 ただ、あってもよかったなと思うところではありますので、今後はいいバランスを探っていきたいと思います。
 偏愛というくくりで見ると、ジャンルは無限にあると思っています。選ぶポイントとしては、1.時刻表や鉄道のように、ある一定数のファンがいる分野、2.ジャンルはニッチだけれども、開いている人の人生がおもしろいとか、着眼点がおもしろい、3.館長さんも分野もニッチだが、スタッフが全部知った後に、「すごい」と納得してしまうもの、この3つを軸に候補の博物館のバランスを考えながら選んでいます。

◎委員

 収集を始めたきっかけや、博物館を開いたきっかけ、あるいはお客様の反応などのエピソードが適度に盛り込まれていて興味深く思ったのですが、これだけのものを集めるにはお金も相当かかったでしょうし、集めておく場所も必要でしょうから、一番気になったのは、奥様がどういうご反応だったか聞いてみたいと思いました。

◎委員

 総合的に見たときに、自分が好きでコレクションして、結果的にコレクションの博物館をつくることによって、人とのつながりができたり、人生と出会うことになったりなど、物を集めて人に語ることの深さ、意味を感じました。
 運営をどのようにされているのか伺いたいです。お金ではなく、何らかの価値があると思われて、つぎ込みをやりつつ、運営されていると思います。
 また、糞虫などすごく格好よかったので、どれぐらい演出されているのか、この企画のアイデアはどのように生まれ、どういうふうに探してくるのかなど知りたいと思いました。

◎局側

 時刻表ミュージアムの館長さんが、集めるつもりで集めたのではなく、愛があるから捨てられなくて最終的に残ったため、それなら多くの人に見せようということで始めたことが象徴的だと思います。
展示すると傷むので、コレクター的には箱にずっと置いておきたいけれども、やはり見せたいという気持ちが強く、自分でメンテナンスを毎日されているそうです。

◎委員

 テレビは視聴率競争を結構気にしている会社が多いと思いますが、「偏愛ミュージアム」と「時刻表」と「糞虫」の3つの狭い分野のことを取り上げていて、よく放送されたなという感想を持ちました。
 博物館を訪れた別の人のコメントが1個ずつ入っていると、さらにわかりやすかったのかなと思いました。
 視聴率のことが心配になりましたものですから、差し支えない範囲で教えていただければと思いました。

◎局側

 確かに来場者のコメントがあると、館長からも伝え切れず、伊集院さんも思ってない楽しみ、発見があるかもしれませんので、今後検討を進めたいと思います。
番組の放送のタイミングが、♯1と♯2は日曜日の11時でしたが、ほかの話数は時間も曜日も異なるという編成事情でしたので、その周知・認知を広めるのが難しかったのですけれども、伊集院さんがラジオでかなりお話をしてくださったので、最初に火がついたところなのかなと個人的には思っています。
 視聴率は、個人0.1はしっかり取って、世帯は0.2を獲得しています。レギュラーではない番組の中では、まずまずいい成績だったのではないかなと感じております。

◎委員

 視聴率では、「伊集院光」の「偏愛」がキーワードのようですので、伊集院さんの力は結構大きいという評価ですね。

◎委員

 最初の鉄道のテーマ曲は、オリンピックのグルノーブルの「白い恋人たち」ですね。鉄道とつながっていないような気がしたので、曲の選び方を聞いてみたいです。

◎局側

 偏愛という名前とテーマがニッチですので、間口を広げられる演出を考え、テーマ曲やテロップの雰囲気など工夫しました。今回は、暗い印象を払拭したくて、舞台を見ていただくような音楽のテンポや演出を意識して、音楽の担当者が見つけてくれました。

◎委員

 部屋が狭いにもかかわらず、カメラワークがよくて、すごくきれいに編集されていて、見やすく感じました。
 気になったところは、キャプション・字幕と、ナレーションの違いが気になります。例えばオープニングで、文字は「未知なる偏愛の世界へ」と書いてあり、ナレーションは「めくるめく偏愛の世界へ」と語っていました。順応できる世代の人もいると思いますが、理解を助けるのがキャプションだと思っていると、その辺は、違和感がありました。

◎局側

 多分あえてやっている部分があり、聞こえがいい表現に変えているところ等もありますが、ご指摘のとおり、変えるメリットがあるのかというのは、一回冷静に振り返らないといけないと思います。違和感やついていけなくなるというのは、視聴者のデメリットだと思いますので、貴重なご意見でした。

◎委員

 「偏愛博物館」と言うからには、時刻表や糞虫といった絞り込んだ世界で、コレクターだけではなく、人に見せる博物館までつくるところに意味があり、取り上げるポイントがあると思います。
 私も質問があって、この番組をつくるに至った経緯、伊集院さんのツッコミは、彼のオリジナルなのか、それとも台本があるのかをお聞きしたいと思います。

◎局側

 番組の企画については、当初私設博物館を紹介する番組という軸もありつつ、私設博物館を開いている人にフォーカスを当てる方向で考えていました。
 伊集院さんに出演いただくことになり、この番組についてお話をする中で、館長に敬意を持って、館長の世界をのぞかせていただく番組がいいのではないかということで、今の形になりました。
 触れてほしいものに関しては、こちらでピックアップをしてお話をしますが、基本的には伊集院さんにあまり情報を入れ過ぎず、伊集院さんが気になったこと、感じたことを自由にお話ししていただくということに比重を置いて、撮影しております。

◎委員

 どれくらいの年齢やターゲットを予想されていますか。

◎局側

 今回の番組は、40〜50代の方々を中心に見ていただきたいと思っています。

◎委員

 「時刻表」や「撮り鉄」などキーワードに入れておくと、ネット検索にひっかかってきますし、関連動画がYouTubeにアルゴリズムで上がってきてくれますので、ネット展開されるとよいと思います。

◎局側

 放送直後はTVerでも配信をして、今後また本数がふえていけば、ぜひ別の有料配信、媒体に提案もしていきたいと思います。
本日の皆様の貴重なご意見、ご感想を賜り、ありがとうございました。ご意見を活用しまして、ギャラクシー賞を取っていけるように、制作陣、頑張ってまいります。
 では、本日の番組審議会を終了したいと思います。

午後5時43分 閉会

*BS-TBSでは、番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。