2014年12月16日
- 旅人
- 原田龍二
#26「雪見露天を求める 初冬の飛騨路」
自称「温泉俳優」、原田龍二さんの旅のはじまりは富山駅。初冬でも雪景色が見られる露天風呂を目指し、岐阜県飛騨地方を巡ります。
まずは、前から行ってみたかったという飛騨高山へ向かうことにした原田さん。バスの乗務員さんに勧められたのは飛騨市神岡。湧水の郷として知られる町と聞き、早速、途中下車。
神岡を潤していたのは、船津大洞湧水群。町の正面にそびえる大洞山の麓から、今もこんこんと湧き出しています。町のあちこちに共同の水屋(水を扱う場所=台所の古称)が設けられ、古来、生活用水として利用されてきました。地下水ですから、水温は一年を通して約11°C。夏は冷たく冬は温か、まさに天然の恵みです。水屋のおいしい水で喉を潤した原田さん、町を歩いていると、見るからに古い造り酒屋を発見。江戸末期創業の大坪酒造です。名酒はおいしい水から生まれるもの。全国の日本酒ファンに高い人気を誇る蔵元でした。
続いて訪れたのは飛騨市古川。白壁土蔵の続く景観がなんとも美しい、かつての城下町です。ここで旬の新そばを賞味。風味を存分に楽しむには、最初の一口を岩塩でいただくのがおすすめだそう。
高山まで辿り着いたのは夕刻。もう今夜の宿を探さなければなりません。「温泉俳優」の名にかけて徹底的にこだわった結果、飛騨高山では数少ない、自家源泉が自慢の宿を選びました。なんと露天風呂付きの部屋で、夕食は飛騨牛づくし。温泉はとろとろの美容液のような泉質で、その名も「美人の湯」。たまたま行き着いた温泉旅館で、極上の一夜を過ごすことができました。
明けて二日目。まずは憧れの高山を散策。高山といえば、さんまち通りの「古い町並」が定番の観光スポット。江戸時代の町並みが今に残るここは、「国選定重要伝統的建造物群保存地区」となっています。
高山を出発し、雪見露天があるという奥飛騨温泉郷へ向かった原田さん。温泉へ行く前に、新穂高ロープウェイに乗車。ゴンドラの下には白銀の世界が広がり、標高2156mの展望台からは、 西穂高岳、槍ヶ岳など、雪化粧した北アルプスの山々が 360度のパノラマで望めます。雄大な雪景を満喫したところで、いよいよ旅の最終目的地、奥飛騨温泉郷の雪見露天へ。
新穂高ロープウェイからわずか二つ目のバス停にある「深山荘」に、待望の雪見露天はありました。川沿いの野趣あふれる露天風呂。標高約1050m。夕焼けに染まる、北アルプスの白い峰々を眺めながらの入湯です。
人のぬくもりと湯に癒された飛騨路巡り。「温泉俳優」原田龍二さん、「一期一湯」の旅はまだまだ続きます。
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