History



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The History of にんじん
6月8日放送 (# 35)
 
原産地は、アフガニスタン。アフガニスタンから東に伝わったのが東洋人参、西に伝わったのが西洋人参と呼ばれています。
まず、人参が西洋へと伝わったのは12〜13世紀のこと。トルコを経てヨーロッパへと伝わります。西洋人参は当時紫色で煮崩れや料理に色が移るなどの欠点から評判はよくありませんでした。そこでオランダでオレンジ色に品種改良された歴史があります。
一方、東洋人参は13世紀頃中国に伝わります。日本には16世紀江戸時代初期にやってきました。ところが東洋人参が日本に伝わる前から、日本には滋養強壮の薬用植物として利用されている「人参」が存在していたのです。それがこの朝鮮人参(いわゆる薬用人参)。朝鮮人参は、ウコギ科の多年生植物で、セリ科ニンジンとは別物です。
 
 

しかし、カロテンに代表される栄養価の高さ(薬効)、形態が似ていることから人参という共通の名前になったのです。ただ、この朝鮮人参とを区別するため東洋人参は「芹人参」と名付けられました。

ウコギ科とセリ科
 
 
その後いつしか「芹」がとれて人参と呼ばれるようになった東洋人参ですが、日本にやってきた当時の江戸の人口は130万人。世界最大の都市でした。江戸の土地は土質上米つくりに向いていなかったので野菜作りに励んでいました。
その中から練馬大根、谷中しょうがといった名産品が生まれたんです。
八代将軍吉宗が全国から集めた野菜の種を植えて試作したところ、優秀な人参の品種は見つかり、それを北区滝野川付近で栽培するようになったのです。それが江戸名物「滝野川にんじん」です。長さは1m、東洋種独特の赤紅色で、香りが強く、肉質がしまっている特徴を持っていたそうです。
そんな中、江戸時代末期、西洋人参が海を渡ってヨーロッパから長崎にやってきました。
明治に入ると、さらに多くの品種の西洋人参が伝来。
東洋人参は良質なのですが、栽培しにくいという欠点があり、(根の長い品種は、栽培や収穫後の取り扱いにも手間がかかる)
日本では昭和30年代以降は西洋人参の方が主流になっています。
そして、明治19年カレーライスの人気によって人参の需要が一気に伸びます。
ちなみに人参を始め、タマネギやジャガイモの消費も一気に伸びたそうです。
 

<西洋人参と東洋人参の違い>
【西洋系】
●三寸群
●五寸群
 ※現在の主流になっている

●ミニキャロット

【東洋系】
●金時にんじん
 ※唯一残っている東洋系
●滝野川にんじん

西洋にんじんと東洋にんじん

 
また世界では、ヨーロッパやオーストラリア、アメリカは長〜い品種の人参が主流となっています。
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