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2004年8月1日(日) テーマは『メニエール病』
(今週のテーマは2002年11月10日に放送したものです。)
今回放送分のドクターQ&Aは、こちら

今週のドクター今週のドクターは、
東京厚生年金病院 耳鼻咽喉科部長
石井 正則 先生



【略歴】

東京慈恵会医科大学大学院卒
’84年 米国ベイラー医科大学留学
帰国後、東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科医長、
宇宙開発事業団嘱託を兼任。助教授等を経て現在に至る

【ドクターの一言】
私の医者としてのモットーは「医学はサイエンスによって支えられたアートである」です。これは慈恵医大の学長だった阿部正和先生のお言葉です。アートとは「医の心」をもった技量を意味します。

【著書】
「耳鳴り・めまいを治す本」 主婦と生活社


CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム
データ突然やってくる激しいめまい、とても立ってはいられない。いったいこの「めまい」ってどうして起こるのでしょう?めまいのほかに、「耳鳴り」や「難聴」といった症状が繰り返される。最悪の場合、耳が聞こえなくなることもある、それがメニエール病。メニエール病の患者さんはなぜか目が細かく左右に動いている。 それはめまいを起しているその瞬間です。この病名はフランスの内科医(プロスペール)・メニエールという人にちなんでつけられたものです。今からわずか200年前まで「脳の病気」だと考えられていました。あるとき、(プロスペール)・メニエールが、内耳の部分異常があることを発見したのです。では、耳に原因があるメニエール病の「めまい」はどんな特徴があるのでしょうか?「回転性のめまい」天井や床がぐるぐるまわって、まわりの景色が流れるように感じ、またメニエール病には、回転性のめまい以外にも「耳鳴り」「難聴」といった症状がよくあらわれます。データこれを繰り返しているうちに、しだいに聴力が低下していき、ついには聞こえなくなってしまうこともあるのです!耳には、外耳中耳内耳の三つの部分があります。一番奥、この内耳障害で起こるのがメニエール病です。では、めまいが起きる原因はいったい何?ここで登場するのが、平衡感覚を司る「三半規管」。三半規管には、液体のリンパ液が流れていてデータクプラ」という器官が、リンパ液の微妙な流れ具合を感知して、正しい平衡感覚の情報を脳に伝えています。もし、何らかの原因でリンパ液が過剰に生産されたり、吸収されにくくなると、内リンパ液が増えて、三半規管は水ぶくれ状態になってしまいます。すると、クプラの下にある神経が刺激を受けて平衡感覚の機能が乱れます。その結果、ぐるぐると周りが回転するめまいが起きることになるのです。耳鳴りや難聴の原因となるのはカタツムリの形をした「蝸牛」です。音を聞くための器官、蝸牛。その内部、実は3階建てになっています。データ輪切りにしてみると・・・階と階が外リンパ液階は内リンパ液。間には有毛細胞があります。外から入ってきた音は、内リンパ液振動し、有毛細胞から正しい音の情報を脳に伝えます。しかし、「内リンパ液」が過剰に増えると、蝸牛の中の圧力が高くなって有毛細胞が刺激を受けます。刺激を受けた有毛細胞は、誤った情報脳に伝えてしまうのです。それが、耳鳴りや難聴となって現れるというわけです。しかし、なぜ、耳の中が水ぶくれになってしまうのかはいまだに謎。精神的、肉体的なストレスが大きく関わっているともささやかれています。
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EXAMINATION 検査
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【重心動揺検査】
 
【眼振検査】
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【温度刺激検査】
 
【電気眼振検査】
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【純音聴力検査】
 
MEDICAL TREATMENT&MEDICINE 治療と薬
薬物療法 抗ヒスタミン剤
利尿剤
心理療法 カウンセリング
手術療法 内リンパ嚢開放術
【薬物療法】
自律神経異常を改善してめまいや嘔吐を抑えたり、
リンパ液排出を促進させて、内耳の水ぶくれを改善します。
【心理療法】
薬物療法の効果が上がらないとき行います。メニエール病の発症には、社会的・心理的要因が関係していると言われています。
データ【手術療法】
上記の治療で大半は改善されますが、それでもダメな場合は、手術療法を行います。内リンパ嚢を切開して、内リンパ液を外に出します。
FRONTIER 最先端技術
データメニエール病の発症には、不安やストレスが深く関係していると考えられています。現在世界中で「メニエール病とストレス」の関係について急ピッチで研究がすすんでいます。そのヒントとなっているのがなんと宇宙!宇宙酔いを起こしやすい宇宙飛行士の血液を調べると、「抗利尿ホルモン」が多いことが分かったのです。排尿の働きを抑えるホルモンです。遠い宇宙に旅立つ宇宙飛行士。その計り知れないストレスのせいで、抗利尿ホルモンが多く分泌されるのでは、と考えられています。ストレスが原因といわれているメニエール病の患者ももしかしたら、抗利尿ホルモンを多く分泌しているのでは?そこで、患者たちの血液を調べたところ、やはり、抗利尿ホルモンの濃度が高い値を示したのです。データとくにめまいの発作直後は通常の5倍以上!ストレスさえなくなれば、抗利尿ホルモンの分泌を抑えられるのでは?抗不安薬で不安を和らげ、筋肉や神経などの緊張を解いて、精神的にリラックスさせます。メニエール病と診断された患者さん、91人に抗不安薬の服用前と4週間後にあたる服用後のストレスの度合いなどを「STAI検査」で調べました。「気が落ち着いている」「安心している」「緊張している」など20項目の総数を5段階で判定して、点数の高い人ほど不安やストレスが強いことになります。さて検査結果です。抗不安薬を服用するとストレスを乗り越える力がわいてくるようですね。もちろん、メニエール病の症状も服用前と比べると軽くなったという結果です。メニエール病の治療薬として、「抗不安薬」はますます注目されそうです。
SELF MEDICATION 自己管理









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いきなりくるめまい・・・、と思っている方が多いのですが、「めまい」には実はちゃんと前兆があった。
【1】歩いているとき、なんとなくふらつく
【2】頭が重かったり・・・
【3】いやに肩が凝ったり・・・
【4】耳の詰まった感じや耳鳴りなどがあれば、もはや「めまい」の発作は近い!すでに、内耳の水ぶくれが始まっていていつめまいを起こしても不思議はありません。
【確実にめまいはやってきます!】
さあ、その日に備えて、日常生活でも気をつけて過ごしましょう。たとえば服の着替え。立ったまま、ズボンや靴下をはくのは危険です。必ず座るか、きちんと寄りかかるようにしてめまいにそなえましょう。
めまいの前兆を感じたら、自転車や車の運転は危険です。転倒したりふらついたり・・・大事故につながる危険もあります。
電車での通勤や通学で気をつけたいのはプラットホームです。転落したら大変。端は歩かないようにしましょう。又、階段の上り下りも手すりにつかまることが大切ですね。
【ストレスを解消する体操!】
(1)親指と親指を絡め、そのまま手を上にあげます。そのときに手を伸ばして首を前に出します。息をはききり、5秒間止めます。
(2) ゆっくり、手を離しながら、息を吸います。

メニエール病と上手につきいながら、落ち着いた日々を過ごす。うまくストレス解消してご自分の力で病気を克服してみてください!

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