BS-TBS

会社情報

放送番組審議会

第86回

2024/09

1.

日 時

2024年9月24日(火)午後4時30分

2.

場 所

BS-TBS会議室

3.

委員の出席

委員総数 8名
出席委員数 7名

 

出 席 者

委員長  末綱隆
副委員長 出井直樹
委員   瀬古利彦
     寺﨑明
     古川柳子
     田中ウルヴェ京
     橋口いくよ
     ※天野篤委員は録画出席

 

局側

伊佐野 代表取締役社長
向山  専務取締役
本田  常務取締役
森井  取締役
平賀  編成局長
有我  番組プロデューサー
辻   番組審議会事務局長

4.

議 題

 

 

審議事項

「ROOM」
放送日時:2024年8月27日(火)夜9:00〜9:30 #1
     2024年9月 3日(火)夜9:00〜9:30 #2 

5.

審議内容

午後4時30分 開会

◎局側

 連続ドラマ「ROOM」は、オリジナルのサスペンスコメディで、リゾートホテルで巻き起こる4人の男たちによる群像劇という作品になっております。

◎委員

 グランドホテル形式で、いろんなことが展開する楽しいしつらえのドラマだと思って拝見いたしました。それぞれの設定はありがちですが、工夫を凝らしてあり、役者さんたちも皆さん頑張っていらっしゃったと思います。
 伏線が多過ぎる感じがしました。最終的にどういう形で伏線回収をしていくかということがあると思うのですが、第1話で全体の構造を見せようということでバーッと広げられたと思うのですが、第2話ぐらいでもう少しラインが見えてくるとよかったと思います。
 状況を説明するための場面が多く、間とか、心情みたいなものがもう少しあると、深みが出たと思います。

◎局側

 伏線が多く、もう少し第1話に広げたラインを第2話で導線をつくるとよいというご意見につきましては、私どもとして非常に新しい発見、気づきがあった部分でございますので、このあたりは次の作品づくりに生かしていきたいと思います。

◎委員

 私の感性から見ると、何を訴えたいのかよくわからず、単純に楽しませるためだけの番組なのかなと思いました。
 サブタイトル「史上最悪の一期一会」というのが、第1話と第2話を見て、何だろうなと思っていました。運の悪い4人を取り上げたということでしたら、最初から「運の悪い4人」と書いたほうが、すっと見られていたような気がします。テレビ番組はチャンネルを合わせてもらうことが必要なので、最初の3〜4分で、何か主題のさわりが見えてくるといいと思います。タイトルのつけ方かもしれませんし、最初の画面でどの程度見せるかどうかだと思います。

◎局側

 感性で感じたご意見につきまして、制作側の視点に立つと、なかなか考えとか視点とかが凝り固まるところもあると思うので、自分が目を向けないようなところにフォーカスして、新しい視点でご意見をいただけると、大変参考になりますし、厳しいご意見は、特に、今後の参考になります。

◎委員

 ここは私の知識がなくて申し訳ないのですが、主演以外の方は名前もあまり知らなくて、そんなに有名な俳優さんを起用しているというわけでもないのかなと思いました。
 この種のドラマは、脚本と構成が命だと思います。これは脚本の課題かもしれませんが、あり得ない偶然が多過ぎました。伏線の回収をどのようにするのか、今回はコミカルなやりとりを入れているところなど、ドラマ構成の工夫するところだと思います。

◎局側

 主演以外の俳優の知名度の低さなどは、今後の作品のキャスティングには参考にさせていただきます。

◎委員

 ドラマというのは第1話、第2話を見て評価するのは難しく、全部見て評価しないとできないのかなというのが正直な気持ちでした。
 第1話だけ見て、一つ一つの言葉とか演技とかはとてもおもしろいのですが、物語の展開が速過ぎて、何を言いたいのかよくわかりませんでした。

◎局側

 展開の速さのご指摘について、連続ドラマなので、途中で離脱しないようにという視点がありましたが、ご指摘を踏まえ、今後の構成づくりを考えていきたいと思います。

◎委員

 第1話、第2話がまったりしていて、番審がなければ続けて見ていないなと思いました。第3話、第4話は、予想外の展開でおもしろかったので、最終回の第5話はとても楽しみです。
 今回のようにドラマを番審で評価されるときに、番組プロデューサーは何を有益と感じられるのかについて伺いたいです。

◎局側

 番組審議会の様々なご意見、特にネガティブな意見をいただくこと、その中にはヒントがたくさん眠っていると思っておりますので、吸収させていただいて、今後に役立てていきたいなと感じております。

◎委員

 私の仕事の経験から、このドラマは踏んではいけないセオリーを踏んでいると思いました。でも、型にとらわれて物をつくり続けると文化は発展しないから、こういう新しいものも大事なのかなと思いますが、このドラマは、新しいこととの融合で、チューニングが合っていないものを見せられている感じがしました。
 ドラマは、出演している誰かの心に自分の気持ちを乗せて見ることができますが、今回のドラマでは、牽引する存在がなく事件が起こり続け、視聴者がどこに視点を置いていいのかわかりませんでした。
 脚本が舞台っぽいのに、演技がドラマっぽくて、主軸がないので、よく分からなくなっていました。朗読劇というメディアと映像メディアでは特質が違うから、その辺のところの難しさはあったと思います。
 このドラマの自信があるところ、誇れるところを教えてほしいです。

◎局側

 主軸になる人間を置かない、つまり、視聴者の立ち位置が基本的にあまりない状態にしたのは、意図的でございます。それが正しいかとか、今の時代に合っているかは、正解がないところではあるとは思うのですけれども、今回4人の男による群像劇ということなので、あくまでフラットに線を走らせたというのがこちらの狙いではあります。
 ドラマに対する自信のある部分について、制作陣で同じ認識を持ったのは、コメディーなので、ふざけたような演出を織りまぜながら、本質的なところで、人間の抱えている悩みや、人に言えない自分の中の葛藤や、乗り越えたい壁などを見ている方に発信して、解決するか、または解決はしないけれども、1つステップを踏み出す応援、後押し、少し勇気を与えられるような作品にしたいという思いを込めて、作品を作りました。

◎委員

 30分ドラマなので、全体的にテンポがいいなという感じです。ただ、逆に粗っぽくて雑なところがあり、登場人物の人間関係描写というのが、第1話に限れば少しわかりにくかったところがありました。1話でよく分からないドラマだなと思って切ってしまうと、2話、3話、4話とつくり込みをされているので、もったいない印象です。1話にもう少し力を入れてもよかったというのはあります。
 映像のインパクトが薄かったかなというのがあります。映像技術、例えば第1話が終わって、第2話の入りの話題を投げるところで、少しフラッシュバックしたり、ストップモーションを使ったりなどを使い、次も見てもらうようにするといいかなと思いました。

◎委員

 目的がよく分からないのと、展開が速いので、年齢的にかなり若い人たち向きの番組だと思いました。1話、2話を見て、最後がわからないのは気分が悪いので、同じくTVerで3話、4話を見たのですが、それでもまだ分かりません。第5話を見れば、この放送自体の目的、この番組自体の目的も、ある程度分かり、理解ができるのかもしれないです。
 そういう意味では、番組審議会のテーマとして見るには、最後を見ないとコメントできないと思いました。最後を見たら、初めて全体がわかり、番組の趣旨もわかります。

◎局側

 皆様のご協力のもと、番組審議会を開催させていただくことができました。それでは終了したいと思います。本当にありがとうございました。

 午後5時37分 閉会

*BS-TBSでは、番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。