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放送番組審議会

第8回

2003/01

2003年1月27日に第8回ビーエス・アイ放送番組審議会が開催されました。審議会委員は6名が出席され、ビーエス・アイ側からは引田会長以下11名が出席致しました。 
第8回の審議会は(1)テレビ番組 『神々の世界 アンダーワールド 海底に眠る世界最古の都市を発見!』(前編・後編)について審議を行いました。 
*『神々の世界 アンダーワールド 海底に眠る世界最古の都市を発見!』(前編・後編)の放送日時:1月11日(土曜日)12日(日曜日)午後7時~9時

(1)テレビ番組 『神々の世界 アンダーワールド 海底に眠る世界最古の都市を発見!』(前編・後編)について委員からは以下のような意見・感想がありました。

  • ・遺跡にはそれほど興味がなかったのですが、見てみると、4時間、ああ、そうなのかなと新しい発見ばかりで、おもしろく拝見いたしました。ハンコックさん自身の言葉で淡々と話していらっしゃるし、いろいろな研究者の方も出てきたり、歴史家とか、考古学者とか、地質学者とかという方たちを通して実証していくというスタイルが大変説得力もありました。
  • ・海底の映像はすごく限界があって、特に遺跡となると変化に富んだ映像はなかなか見ることができなくて、普通のものを見ていても余りおもしろくないんですけれども、CGもすごくうまく使って、わかりやすく表現しているし、好奇心をかき立ててくれました。
  • ・スタジオの部分なんですけれども、3人の方のバランスも大変よくて、荒俣さんが徐々に燃えていって、最後は自分でライセンスを取って潜って、そんなところまで感情が盛り上がってきているのが大変おもしろかった。
  • ・4時間というのは、やっぱりいかがなものかという感じがいたしましたね(笑)。というのは、単に長いというだけじゃなくて、あの番組は随分むだがあると私は思いました。前後のつながりで、ダブっているところが結構あったんですね。今、バラエティー番組でも、終わる前の30秒ぐらいをまた始めからやるということがあって、私なんかは非常に煩わしいという感じがするんですけれども、それがやっぱりあったことと、それだけでなくて、前の方に映った映像をまた使ってみたり、使い回しも結構多かったので、そういうところをもっとつまめば、1時間か1時間半番組2本にまとめられたんじゃないかと思います。
  • ・進行をしている秋沢淳子さんはよく勉強をしていらして、ああいう司会進行は私はなかなかよかったと思います。その辺のアイドルタレントが急ごしらえでつくったというよりも、ちゃんとしゃべっておられたし、あの起用はよかったと思います。荒俣さんも、大地さんも、それぞれの専門家としていい発言をしておられたので、私も楽しく拝見しました。
  • ・インドの南部のプーンプハールというところが、タミール人がどうのこうのといっていたんですね。タミール人というのはたしか日本語とのかかわりがあって、大野晋さんの研究によって、あの辺から七五調が生まれたとか、「ワビ」とか「サビ」とか「クラ」とか、そんな言葉はいっぱい残っているのです。そういう1つの古代のつながりを、だれか考古学でも地質学でもない人が、そこで語ってくれると、興味が膨らむと思いましたね。だから、話す方の人数をもうちょっとふやしてもよかったかなという気はしました。
  • ・全体には、頑固なドイツ学者、これを覆すだけの何か、想像にウエートがかかってもいいんだけれども、何か違う見方をもうちょっと提示してほしかったと思います。ちょっと押し切られた感じがしたんですね。自然がなした奇跡とはちょっと思えないんだけれども、その点も含めておもしろかったですね。ただ、その辺の対立点がもう少し展開したらよかったと思います。見ている人にもう少しわかりやすい形で提示された方がよかったかなと思います。
  • ・例えば前編のマルタの部分は、初め見たときは、「アンダーワールド」という話にしてはグランドの話ばかりしているなという感じがしたんですが(笑)、私はそこにも行ったこともありませんし、そういう意味では、次に見たときは、やはり「アンダーワールド」の話をするいわば助走というんでしょうか、イントロダクションというか説明は、必要なことだと思います。その辺が、こっちが歴史的な知識とかそういうものに少し欠けていたせいもあるかもしれませんが、そういう長さも含めて、もう一工夫あれば、もっともっとすばらしくなったんじゃないかなという感じがしました。
  • ・ヴェーダというのはわかりにくかったですね。あれは何か説明がありましたか。リグ・ヴェーダから始まって3つか4つあるというぐらいしか私は知らないんですけれども、ヴェーダは既知のものといわんばかりの感じで大地さんがいっていたので、もうちょっと解説が必要だったんじゃないかと思うのです。また、日本人にとって、洪水伝説というか、ノアの方舟とか、そういうものはもう一つピンとこない。ですから、スーパーとか、年表とか、ちょっとしたコメントとか、そういうものをカバーするものを入れれば、それこそ知的エンターテイメントとして、もっとメッセージが伝わっていったんじゃないですか。それが言葉だけだと、頭で考えているうちに次の方へどんどん行ってしまう。ですから、私は2回見て、2回目の方がいい。普通は2回目の方は二番せんじということになるんですけれども。というのは、やっぱりそういう知識みたいなものが少しは注入されて、整理されたからわかりやすかったのかなという気はしました。

BS-i 番組審議会委員
委 員 長
天野 勝文 (日本大学教授)
副委員長
荒川 洋治 (現代詩作家)
委員
逢坂 剛  (作家)
委員
鳥飼 玖美子(立教大学教授)
委員
沼田 早苗 (写真家)
委員
村 和男  (弁護士)
委員
師岡 文男 (上智大学教授)