第69回
2020/06
1. |
日 時 |
2020年6月 |
2. |
審議方法 |
今回の審議会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一堂に会しての会合とせず、各委員が意見表明の書面を提出し、それを基に意見を交換した。 |
3. |
審議会の構成 |
委員総数 8名 |
委員長 末綱隆 |
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放送局 |
相子 代表取締役社長 |
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4. |
議 題 |
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(1)報告事項 |
番組種別公表制度に基づく放送実績について |
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(2)審議事項 |
「美しい日本に出会う旅」 |
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(3)その他 |
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(1)報告事項 ◎局側 番組種別放送時間報告について、2019年10月から2020年3月の2K・4K番組種別放送時間の集計結果をご報告します。 (2)審議事項 ◎委員 旅番組はやはりテレビの代表的ジャンルとして、ほぼすべての視聴者に好感を持って受け入れられていると感じます。ナレーターに学者や作家、或いはお笑いタレント等でなく、若手人気俳優3人をしかも交代で登場させるアイデアもそれぞれ個性が生き、毎回変化をつける観点からも成功していますし、親しみやすさを感じます。 ◎局側 この番組の主な視聴者層は60代以上の女性でした。さらなる視聴者の獲得を目指すにあたり、強化策のひとつにナレーターのキャストがありました。そこで、30代~50代の女性ターゲットの獲得をめざし、彼女たちに支持されているタイプの違う俳優3人(井上芳雄・高橋一生・瀬戸康史)にナレーションをお願いしました。 ◎委員 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の中で、番組制作にもいろいろと支障が出ていることと思います。多くの人が家にこもることになるので、テレビの存在が改めて見直されるのかもしれません。 ◎局側 今回の放送は、新型コロナウイルスによる外出自粛期間中の放送であることから、意識的に視聴者が自宅で外出自粛していることを前提としました。新型コロナウイルスの流行で国民が外出をひかえているさなか、家にいながら少しでも旅気分になれる番組、しかも解放感を味わっていただきたいと思い、日本でもっともダイナミックな象徴である富士山をテーマに、雄大な絶景カットをふんだんに紹介しました。 ◎委員 青木ヶ原の樹海のところで「樹海を歩いてみましょう」とありましたが、そんなに簡単に歩けるものでしょうか。ここは自殺の名所で、迷うと危険です。 ◎局側 今回取材したのは青木ヶ原の樹海にある氷穴の観光名所"鳴沢氷穴"です。観光客に人気のアドベンチャースポットで、行き方も遊歩道を使っての道のりで、決して危険な場所というわけではありません。 ◎委員 「富士山ぐるり絶景旅 全部見せます!赤富士・青富士・逆さ富士」というタイトルですが、もう少し工夫が必要だったかと思います。撮影映像を番組に構成する際に、盛り込んだ内容から決めたものと推察しますが安直過ぎます。 ◎局側 少しバラエティーぽい内容、印象を視聴者に与えてしまったかもしれませんが、今回のタイトルにしたねらいは、富士山の姿は日本人の誰もが一度や二度、(実物・写真・映像などで)目にしたことがあり、必ず頭に思い描ける題材であるということです。そこで、このようなタイトルをつけた事によって視聴者の"富士山像"を事前に引き出し、放送で紹介するシーンと比較して楽しんでいただければと思ったからです。 ◎委員 一時間の番組に沢山の情報を入れすぎて、ひとつひとつの物語が薄く、観光PR的な仕上がりになってしまったのが残念でした。ひとつの場所をもう少し掘り下げてもよかったのではないかと思います。それと、カメラワークにもやや物足りなさを感じてしまいました。 ◎局側 今回の番組を放送する際、まず、新型コロナウイルスの影響で新撮やあらたな取材に制限があることから、比較的人と密にならずに撮影可能な風景(富士山の絶景)を主に新撮し、過去のアーカイブスも利用して番組を構成しようと考えました。そのことで、映像中心のカタログ番組の印象をあたえてしまったかもしれません。 ◎委員 この番組は、派手さは少ないかも知れないが、各回のキーワードを考えながら続けて欲しい番組だと思います。 ◎局側 この番組は決して衝撃映像で構成されるものではないので、番組の派手さには欠けるかもしれません。ですので、しっかりとしたテーマを立てて番組全体が散漫にならないよう1カット1カット丁寧にお見せしたいと思っています。そして"美しい日本"にこだわり、撮影した1カット1カットを積み重ねることで、日本という美しい自然、文化、風土、人の営み...が、見た人の心に焼きつき、その美しさが私たち日本人のこころに優しく寄り添ってくれると信じて、これからも番組制作をしていきたいと思います。 ◎委員 タイトルで使われている"美しい日本"という言葉は、なかなか奥深く、色々な意味での難しさもはらんでいますね。あるモノやコトやヒトの「かたち」は、目に見えぬ精神や歴史に支えられて「美しいもの」になるのでしょう。「カメラに映っているものが美しいのはなぜなのか?」そんな問いかけを、これからも続けていっていただきたいと思います。 ◎局側 スタッフが毎回、一番苦労する作業に、目に見えぬ美しいものをどう伝えるかということがあります。目に見える美しさは、カメラワーク技術によるものですが、目に見えない精神、歴史は芯のある取材の下、どこをどう切り取ってどう伝えるか、感性が問われる作業だと思います。これからも、この苦労と向き合い本当の"美しい日本"を視聴者にお届けできればと思います。 ◎委員 富士山のことをよく知ってるようで、全く知らないことに気づきました。 ◎局側 今回の企画は富士山をぐるり全方角から見ると、その姿、装い、立ち姿、周りの風景がこれほどまでに違うということを見て知っていただく企画でした。どの方角から見たかをわかりやすくお伝えするため時計に見立てて表現しましたが、途中ところどころ省略した場面もありました。このような、一周旅、出発からゴールがある企画は、途中経過をどういう表現で視聴者にお見せするかはとても大事な要素だと思います。それは将に番組の質、センスが問われるので、今後もこだわっていきたいと思います。 (3)その他 ◎委員 4K視聴可能機器について、オリンピック・パラリンピック延期の影響はどの様に及んでいますか?また、今後の見通し等ご教示下さい。 ◎局側 やはり新型コロナウイルスと延期の影響は多少出ていると思いますが、5月末現在で4K(8K含む)衛星放送視聴可能機器台数は累計約440万台となっています。オリンピック・パラリンピックが予定通りでしたら、開始時までに500万台以上の普及が最低ラインの普及イメージでしたので、甚大な悪影響があるとまでは捉えていません。いかにスピードアップしてまずは1000万台を超えさせるかが目標と考えています。 *BS-TBSでは、番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。 |