BS-TBS

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放送番組審議会

第80回

2023/03

1.

日 時

2023年3月14日(火)午後4時

2.

場 所

ホテルニューオータニ会議場

3.

委員会の構成

委員総数 8名
出席委員数 8名

 

出 席 者

委員長  末綱隆
副委員長 出井直樹
委員   天野篤
     瀬古利彦
     寺﨑明
     古川柳子
     田中ウルヴェ京
     橋口いくよ

 

局側

伊佐野 代表取締役社長
本田  常務取締役・番組審議会統括
中澤  取締役
鈴木  取締役・編成制作局長
高松  編成制作センター長・編成部長
辻   ビジネス考査部長
片山  番組プロデューサー
川口  番組審議会事務局長
石井  番組審議会事務局幹事

4.

議 題

 

 

(1)審議事項

「BIZスクエア」
2K及び4K放送日時:2月11日(土)11:00〜11:54

(1)審議事項

◎委員

 1週間のニュースや三菱重工のトピックを、経済のことはわからない人にでも、入山さんがわかりやすく説明をしてくれていたのがよかったです。この番組は、ニュースやトピックも大事ですが、経営者の生の声を聞く、これが番組の肝ではないかと思いました。サントリーの社長の話もすごく興味深かったですし、サントリーの社訓の「やってみなはれ」というのは、何事にも通じる言葉だと思いました。失敗談、苦労話、成功に導いた話など、この番組を見て、もっとたくさんの経営者から聞いてみたいという気持ちになりました。すごく勉強になって、いい番組だったと思いました。
鳥井社長には、実際はどれくらいインタビューをされたのでしょうか。

◎局側

 実際いただいた時間は30分くらいでした。企業のトップの方ですと、1時間いただけることはまれです。30分のインタビューで、12分くらい使用しています。

◎委員

 幾つかある経済ニュースの中で、報道の内容については、時間の中で要領よくまとめているという点でうまくできていると思います。構成については、ほぼ問題ありません。ただ、前半は、ネットでも十分とれる情報にとどまっていまして、少し不満があります。MRJのことについても、もう少し突っ込めなかったかなというのが個人的な感想です。
 サントリーの鳥井信宏社長のインタビューであれば、この番組でないととれないような発言を何とか引き出す。そのためにはインタビュー台本がしっかりつくられている必要がありますので、インタビュー台本がどのレベルまでチェックされて、どういう最終的な構成になっているか、どう情報共有されているのかを知りたいです。

◎局側

 企業トップの方のインタビューとなりますと、事前にある程度の質問内容をご用意しまして、先方の企業の広報や、制作スタッフ、編成など社内のしかるべき部署で確認をしています。今回は収録でありましたが、生のときもほぼ同じような形で、企業トップの方にお越しいただく場合には共有しております。

◎委員

 経済番組は難しいですね。経済に対してどのくらいベースの知識を持っているか、どういう関心を持っている人を対象にするかによって、かなりつくり方が変わってくるのではないかと思います。前提として、その辺はどういうふうにお考えなのか伺えればと思います。
 全体のテーマとしては、今回、日銀総裁の後任人事や1週間の経済ニュース、それから国産ジェットの生産中止とサントリー、いずれもすごく関心がある、興味深いテーマだったと思います。ただ、もう少し突っ込んでもらうと、もっとおもしろくなったのではないかというところはありました。
 国産ジェットのほうですが、日本の企業の体質ですね。という形で何となくまとめてしまっていましたが、他の企業でアメリカの型式証明をとっている企業もありますので、やはり検証してほしかったというところはありました。
 サントリーは非常にもったいないと思いました。インタビューを聞いた後にスタジオにおりて、これはすごい貴重なコメントですね。という話になりました。あれは事前に、このインタビューが大変貴重なインタビューだということや、ウイスキーをめぐる状況とか、そういう話がちゃんとプレゼンされてインタビューを聞かせる。舞台装置を整えてあげると、よりよかったのではないかと思います。

◎局側

 私たちも、どれくらい視聴者が理解しているかというところを常に考えながら、言葉が難しかったり、最近聞くような言葉は補足するようなことをして、なるべくベースを一定化させたいと思ってやっています。ただ、おっしゃるとおり、地上波のニュースより少し経済専門性を高めているという意味では、ベースを少し上に設定しております。
 企業トップの方の生の声を聞くということが、本当にどこでも聞ける話ではないということは、私たちも常日ごろ考えています。いただける時間も限られていますし、また発言するトップの方にすると、全国に向けて話しているわけで、非常に責任が重い。言葉一つとっても、本当に真剣勝負というところがありました。我々としましても、そこのところをもう少し際立たせて、冒頭に貴重なものだという言葉、いい感じで、もう少しプレゼンスを上げて、そういう番組なのであるということを視聴者にも丁寧に説明できるようにしていきたいと思います。

◎委員

 経済のことを伝えていくことが目的だと、おっしゃいましたが、テレビは、その先があって、伝えられた人間が何を思うかというところまでが番組だと私は思っています。
 興味がない人がなぜこういう難しい番組を見るかというと、人につくと思います。
キャスターは、もう少し意思を出したほうがいいのではないかと思いました。無難過ぎます。サブキャスターの方の役割も出てきません。メインが一歩出ると、サブの方も一歩出るという部分が出てくると思います。一歩出るという瞬間を見たいから、みんなテレビを見ていると思いますが、経済番組はどうしても話をまとめようとするので、詳しい人を出してそこで完結とすると、単なる情報でしかなくなり、それだったらネットでいい、新聞でいい、となってしまいます。おもしろみと安全性のバランスが、こういう番組はすごく難しいと思います。もう少し人間味が欲しいと私は感じました。

◎局側

 キャスターの播摩はジャーナリスト37年ですから、非常に慎重です。会社を代表しているというところもあり、そういう意味では非常に慎重です。全部無難でやる必要はなく、そこはもう少しバランスを見てというところを番組のスタッフでも共有して、番組づくりに生かしていきたいと思います。

◎委員

 ニュース番組として、それなりのスタンダードでしっかりつくられていたと思います。時事ニュースを幾つか取り上げて、それを深掘りするものと、それから特集という構成であったかと思いますが、毎回そういう構成でしょうか。
 内容については、国産ジェットの失敗、それなりに深掘りをされていたと思いますが、もう少し広がりがあってもよかったと思いました。なぜ失敗したのかということが、型式認証の問題が難しかったということと、組織論の問題も言われていましたが、なぜこれに挑戦したのか、そもそもこれがどれくらい難しいチャレンジだったのか、世界の市場がどうなっているのか等、そのあたりを少し広げて紹介していただくと、深みが増したかと思います。
 鳥井社長のインタビューのほうは結構深みがあったと思いました。まさに、よく出演の了解がとれたと思いました。
 あとは、ほかの報道番組もそうなのですが、キャスターが男性で、女性のアナウンサーがいます。大体この組み合わせで、それと、解説の方が出てくる。もう少し女性のアナウンサーの方に内容的な面で実質的な役割を担ってもらうことはできないのかと思いました。

◎局側

 構成につきましては、ほぼこのような構成で、前半に最新で起きていること、そして1週間のまとめがあります。まとめの中から一番注目するニュースをトップニュースにします。毎回そのような方向ですが、生放送なので、何かあったら大きく変わることもあります。
 キャスターが男性、女性アナとの組み合わせにつきましても、いろいろと試行錯誤しています。今回のケースのように企業トップの方とバチバチに、しかも限られた時間でやり合うとなると、播摩は37年、経済をやっていますので、今回は播摩の起用となりました。
 以前は、女性のサブキャスターがインタビューというパターンもやっていましたので、今後は検討していきたいと思っております。

◎委員

 番組がよりよくなるにはどうしたらいいかとして、勝手な主観で申し上げます。
 スタジオの雰囲気。土曜の朝にしては何だかライトが暗いと思いました。土曜の朝なのに、スタジオカラーが茶色なのも、ちょっと不思議に思いました。
 次に、キャスターの話し方、「ザ・日本人」とおっしゃいましたが、一般化し過ぎのような言葉が気になります。また、手の置きどころは、メディアでの意思表示としてすごく大事だと思っています。そこに手を置く必要があるのか。本当に大事なことをクリティカルに分析するときに、意思表示をする必要がないのに、そのポーズなのか。少し違和感がありました。

◎局側

 ご指摘のとおり、スタジオは木目調のところなものですから、後ろに縦にブルーの青空を出したり、生放送ですので、もう少し生の映像、外を見せる、今日は天気はどうなのかとか、いろいろ工夫をしたいと、今やっている最中でございます。もう少し生であるということ、お昼であるということを意識して、番組づくりに生かしたいと思います。
 手の置き方ですとか、これは演出外のところではございますが、今日いただいたご指摘は、そこは大事だということです。まさにテレビをご覧になっている方のご意見だと思いますので、そこはもう一度共有して、改善点を見つけていきたいと思っております。

◎委員

 ある意味、非常に安定した、無難な報道だと思います。少し物足りないところはありますので、それは、この番組のターゲットをどこに置いているのかというところです。コメンテーターが1人で対抗軸がないので、もう少し批判的な人も出してコメントをしてもらうと、大分違ってくるかという気がします。何となく一方的な番組になってきているような感じがします。特に今回はトップニュースで三菱重工の国産ジェットをやりましたが、何が悪かったのか、何が問題だったのかというのをズバッと指摘するような人が出てきてもいいと思いました。
 サントリーの鳥井社長のインタビューは、非常によかったのではないかと思います。
少し突っ込みが足りなかったかという気はしましたが、あのインタビューをとった功績は非常にあると思います。定例的におもしろい会社に出演してもらうと、この番組自体のステータスが上がっていくのではないかと思いました。

◎委員

 日本の経済、ここ20〜30年で、日本人の1人当たりのGDPは2位まで上がっていって、2位から今、30位近くに落ちています。どう考えても経済が強くない国であると言えます。そういう中で経済を取り上げていくとすれば、画面も明るくして、日本の経済を明るくしようという雰囲気を醸し出すような番組になるといいと思いました。
 国産ジェットの開発は確かに結果論として見ると、何をやっていたんだということだと思います。総論としてはそうですが、最初の段階で、国産ジェットをやると踏み出したことは非常にいいことだったと思います。
 日本の企業をアメリカの企業と比較すると、実際にサービスインするまでに時間がかかってしまう。やめるのも、だめになっているのにやめないといったところがあります。今回の場合は、やめるのが遅過ぎたというのが一番の問題で、是非、三菱重工には、次のチャレンジもまたやってもらいたい。そういった点にも言及していただけるとよかったと思っております。

◎局側

 特にニュースはそうなのですが、流してしまったらそれで終わりというところはあるかもしれません。三菱のことにせよ、検証した上で、これが明るい先へ結びつくというような、やはり検証というのはその先も非常に大事なのだと思って、お話を伺っておりました。
 常日ごろ、番組内でいろいろ会議しながら、試行錯誤していることにすごく一致している意見が幾つも皆様からいただいたというのが実際のところでした。ありがとうございました。

*BS-TBSでは、番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。