第74回
2021/09
1. |
日 時 |
2021年9月15日(水)午後4時 |
2. |
審議方法 |
今回の審議会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、リモートでのオンライン審議で行った。 |
3. |
審議会の構成 |
委員総数 8名 |
参加委員数 6名 |
||
出 席 者 |
委員長 末綱隆 |
|
局側 |
相子 代表取締役社長 |
|
4. |
議 題 |
|
(1)審議事項 |
「アスリート夢共演」 |
|
(2)その他 |
||
(1)審議事項 ◎委員 今回、3人のパラアスリートの方たちが出ていらっしゃいましたが、それぞれの皆さんがすごく魅力的で、人間としてもとてもすばらしく、心打たれながら拝見しました。どうしても障がい者を扱うときに、最近、「感動ポルノ」という言葉もあって、バランス感覚が求められる領域だと思います。大島さんと塚原さんの対談も含めて、とてもバランスと抑制が効いた番組だったと評価させていただきます。 ◇局側 この番組の制作スタッフにおきましては、無理に感動をあおることはしないように、一スポーツ選手、一アスリートとしての扱いということをいつも心がけています。それまでのスポーツにかけてきた部分を描くところというのは、もちろん感動を呼ぶものではございますが、過剰に演出はしないようにと心がけております。 ◎委員 パラリンピックって何だろうとか、障がい者スポーツって一体何だろうと考えると、障がい者の方のほうが健常者よりも体を動かすことやスポーツが大切なのではないかと思いました。 ◎委員 先ほどの委員のご意見に関して、私からも少しお話させていただきたいと思います。パラリンピックの車椅子バスケットボールに8年間かかわっておりましたので、パラリンピックという立場と、それからオリンピックの立場からお答えできることがあると思いました。 ◇局側 パラリンピックの競技環境などの支援については、先に委員からご説明を頂戴しました。私どもが取材する上で感じている部分では、障がい者アスリートの支援はまだまだ立ち遅れているところが多いと感じています。 ◎委員 パラリンピックの選手たちは、普通のオリンピックの選手に比べて日の目を見ないことが多いので、こうやってスポットを当てて紹介してもらったのは、すごくよかったと思いました。そして、この番組はパラリンピックを応援するいいきっかけになったと思います。 ◇局側 今回、パラリンピック直前ということになりまして、つくり方としては、選手の紹介、カタログ的なところを主眼にしたというところで、取り扱えなかった部分です。今後の制作に関しましは、もう少し切り口を考えて、新たな部分を視聴者の方にお伝えできるような、そんな放送を心がけていきたいと思っております。また、アナウンサーの出方が中途半端だったというご意見に関しましては、この番組において、アナウンサーは対談の進行役として、毎回配置しております。場合によっては、あまり話が広がらないときもあり、その場合のサポートをする意味合いです。今回は、お二人とも話が弾み、アナウンサーが話している部分はカットしましたので、中途半端に出演しているように見えたのではないかと思います。この番組でいうアナウンサーは、アスリート2人に存分に話していただけるための行司のような立ち位置で考えております。 ◎委員 パラアスリートということで、身構えて見てしまいましたが、実際に見てみると、番組としては普通のスポーツアスリートの番組だと思いました。障がいというよりも、特別の能力という感じで、あまり生活の場面が出てこなかったので、特にパラアスリートは大変だという感じを受けなかったのかもしれません。 ◇局側 ガイドランナーに関しまして、今回はパラリンピックに向けての紹介で、放送時間の中で2人を紹介するということがあって、細やかな説明ができなかった部分です。通常の放送回では2人の組み合わせで、前編・後編に分けて放送するのが基本スタイルですので、そのようなときにもう少し踏み込んで、ご説明できたらと思っております。 ◎委員 スポーツの番組として、大変おもしろかったです。ただ、一貫して、この番組はパラにはスポーツの力があるということが前提で話が進んでいきました。だとしたら、例えば大島さんのときは、何がスポーツの力だったのかということを知りたかったです。 ◇局側 大島選手の場合は、先天的ということで、成長の中で自然とその部分をカバーするようなすべを身につけてこられているのかと思います。 ◎委員 こういうテーマは、みんなが予定調和で、扱うのは難しいと足並みをそろえて、探り探りやって何か変なゆがみが出たり、変に偽善的になったり感動的になったりしがちですが、この番組には、感動の押しつけが強くなってくるのがなく、本当にフラットに、自分が思うことを思いながら見れたのはすごくすてきなことだと思いました。 ◇局側 番組内の言葉の使い方やナレーションに関しては、常々制作スタッフともども話していますが、まだまだ考えが追いついていなかった部分もあったかと反省しております。言葉に関しては、捉え方によっては、いろんな立場の方でご意見があったり、批判があったりする部分でございますので、正しい使い方としてはどういうものなのか、そういう基準をしっかりこの番組の中でも設けていきたいと思います。 ◎委員 制作スタッフが収録環境の悪化についておっしゃっていましたが、取材するに当たって、今のコロナ禍での環境の悪化というのはみんな共通です。だから、それを言ってはいけない、新しい切り口を語ってほしいと思います。 ◇局側 本来、この番組のコンセプトに掲げていたのが、障がい者の方々が未来に向けて大きな夢を持てるような番組ということで企画しました。障がい者の方々が見終わった後に大きな希望を持てるようにというのが本来の目的であったのですが、ここに特化できなかったという反省がございます。『どんなメッセージを、どう発信していけばいいのか』ということを常に念頭に置き、制作に当たらなければなりませんでした。その為には、障がい者の方々と直接触れ合う機会を増やし、様々な声を聴き、その感性をくみ取っていく必要があります。 ◎委員 この番組は、視聴者の人生体験によって相当見方が違うというのを、総括的に感じました。私は、今回の番組については割とすらっと見て、タイミングもパラリンピックの前で、障がい者の方のいろんな活躍や努力などを見て、いい番組だなという見方をしました。 ◇局側 タイトルに関しましては、パラアスリートと健常者アスリート、同じスポーツでありながら、この2つは全く別である、という意識がずっとついておりました。パラアスリートと健常者アスリートが同じ場で言葉を交わすという機会もなかったときに、この番組をスタートしておりますので、意味としましては、「パラアスリート、健常者アスリートが同じ夢を語る共演の場」ということで、このタイトルになっています。今回のこの放送回に関しましては、パラリンピックの選手紹介のところが主題になっており、特に8月14日の放送回は、唐澤選手と日向選手というお二人を取り上げたカタログ形式となっていて、タイトルの主旨とは合致していませんが、パラリンピック直前の特別回であるという認識で制作しております。 *BS-TBSでは、番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。 |