第72回
2021/03
1. |
日 時 |
2021年3月12日(金)午後4時 |
2. |
審議方法 |
今回の審議会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、リモートでのオンライン審議で行った。 |
3. |
審議会の構成 |
委員総数 8名 |
参加委員数 7名 |
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委員長 末綱隆 |
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局側 |
相子 代表取締役社長 |
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4. |
議 題 |
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(1)審議事項 |
「にっぽん!歴史鑑定」 |
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(2)その他 |
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(1)審議事項 ◎委員 非常にいい番組づくりをされているのではないかと率直に思います。「余計な味つけ」をしないで事実を素直に伝えるなど、そういう部分が感じられる番組だと思いました。番組の内容自体は、テーマを絞っているので、非常にわかりやすかったです。役人が政治家になっていくプロセスがうまく捉えられていました。 ◎局側 MCの田辺さんは歴史好きではありますが、あくまでも視聴者代表という立場です。『歴史鑑定士』としてスーパーを出していますが、視聴者代表、掘り下げる半歩先を行くための、疑問点を提示する人ということで捉えています。MCに歴史に詳しい人を立たせてしまうと、その人の意見を求める必要も出てくるかと思いました。 ◎委員 私は歴史が好きなものですから、すごく興味があり、あっという間の1時間でした。 ◎局側 ございます。例えば、東京オリンピックが日本に決まったときに、1964年の東京オリンピックではなくてその前の東京オリンピック。嘉納治五郎さんが旗を振って日本に決めて、結局、戦争でだめになった。その嘉納治五郎さんがオリンピックをどんな風に招致しようとしたのかというのを取り上げたことがございます。 ◎委員 戦後史というのは、学校でもきちんと教えないし、日本の今の形をつくるために何をやってきたのかということは、実はテレビでしか一般の人たちは知る機会がなく、そういう意味でもすごく意味のある番組だったのではないかと思います。 ◎局側 最初の構成台本では、現在の日本に対する影響というのもありましたが、いかんせん、尺が54分間しかないということと、あまり現在の政治につながる論点を出すよりも、今回の吉田茂に関しては、主に政策の流れよりも吉田茂の人物像に焦点を、重きを置いたほうが、視聴者を引きつける方向に行くのではないかという判断で、政治的なことに関しては、構成会議の段階で省いた経緯がございます。 ◎委員 ターゲットをどのように考えて設定されておられるのか、どのあたりの層を考えておられるのか教えていただければと思います。 ◎局側 まず、ターゲットに関しましては、年齢的なターゲットは考えておりません。去年の4月から、番組の最後に、取り上げてほしい時代や人物のアンケートをとり始めておりまして、アンケートを送ってきている年齢層が、10歳以下の方から70代まで、いろいろな層からきていることがわかり、ターゲットを年齢で絞らないほうがよいのではないかと考えております。 ◎委員 今回、かなり深掘りしてキャラクターを出されている気がしました。「余計な味つけ」をしないとか、事実を素直にと言われておられましたが、吉田茂くらいになると、いろいろな意見があると思います。その人に対する見方、解釈の仕方によって違うので、そのような時はどうするのか。例えば、違う意見も出す捉え方をするのか、それとも、ある程度取り上げた人の感想に基づいて編集をしていくのか。その点はぜひお伺いしてみたいと思いました。 ◎局側 人物キャラクターの設定をどうしているかといいますと、例えば、ある人物が歴史的な捉え方で二面性があったりすると、構成会議で、監修の先生のとっている説だけで1時間を構成するのがよいのか、あるいは諸説ありで、こういう考え方、こういう捉え方もあるというふうに諸説を説明していくほうが番組としておもしろくなるのか。毎回、取り上げる事件や人物などを伝えるときに、どちらをとればおもしろくなるかということを、構成会議を経て決めております。 ◎委員 最初の印象としては、すごく二分化される番組だと思いました。教科書のように見るというのであれば、教科書よりずっとわかりやすいし、おもしろい。けれども、知的エンターテインメント番組とあるので、エンターテインメントという視点で言うと、学校の授業が始まるみたいに感じなくもないかと思いました。 ◎局側 オープニングでだますという手法は大いに取り入れさせていただこうと思います。 ◎委員 戦後の日本の転換期から今の繁栄状況をうまくつくったという意味において、相当いろいろな決断をされています。吉田茂本人の腹の据わりぐあい。アメリカの憲法の草案を受け入れる話や、講和条約を結ぶときの、独立後のアメリカ軍の駐留などです。秘密交渉でそういうのをやったといったようなことなど、非常に腹が据わっています。 ◎局側 以前に、GDPではなく、別の見方をした豊かさを持つ国の謎を解くというアプローチはおもしろいという話が出たことがありました。壮大なスケール感のある「地球絶景」やきれいな映像からさらに新しい価値観を創造する、きれいの源流はどこにあるのかというところを、人々の豊かさの面で切りとっていくのはおもしろい話だと思いますので、活かしていきたいと思います。 *BS-TBSでは、番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。 |