第7回
2002/10
2002年10月28日に第7回ビーエス・アイ放送番組審議会が開催されました。審議会委員は5名が出席され、ビーエス・アイ側からは引田会長以下9名が出席致しました。
第7回の審議会は(1)テレビ番組 『捕鯨論争!大国と闘った男達~国際会議の舞台裏に迫る~』について審議を行いました。
*『捕鯨論争!大国と闘った男達~国際会議の舞台裏に迫る~』の放送日時:9月2日(月曜日)午後8時~午後10時
(1)テレビ番組 『捕鯨論争!大国と闘った男達~国際会議の舞台裏に迫る~』について 委員からは以下のような意見・感想がありました。
- ・この番組のテーマである捕鯨論争の裏で何が起こっているかというねらいは、非常に丁寧な取材で十分成功していると思いました。シンボルとしての鯨というテーマが非常にはっきり浮き彫りにされていたと思います。日本の管理資源のシンボルとしての鯨、アメリカに代表される反捕鯨国の環境問題のシンボルとしての鯨、この両方がIWC(国際捕鯨委員会)の象徴的なテーマだとはっきりわかったと思います。
- ・非常に緊迫感のある1つのストーリーでもありますし、組織とか、国家とか、会議というものの様子も含めて、文化の話も出ました。非常に日常的なもの、今の現実、さらに国際社会もかかわってくる。1つの物事が触れているさまざまな面を、教材としても検討できる。味わえるいい番組をつくっていただけたなと、とにかく非常に吸い寄せられるように見ました。
- ・実際になぜ強く反対しているのか。アメリカ側の取材ができなかったということもあると思いますが、ちょっと不満な点でした。それは文化の違いということで、番組の中では随分指摘されていましたけれども、それだけではないような気もします。
- ・双方向であるということは、視聴者にある種のチョイスを与えることが可能なメディアだと考えるならば、例えばバイリンガル、ステレオの放送にして、日本語で全部聞きたい人は日本語で聞くことができる、全部英語で聞きたい人は全部英語で聞くこともできる、あるいは、オリジナルで聞きたい人は、日本語の発言があった場合には日本語、英語で発言があった場合には英語でと切りかえられると、多様な層に対応できるのではないかなと思いました。
- ・やっぱり外国人にもあの番組を見てほしいという感じがしました。彼らから見ると、きっと日本のプロパガンダ番組だと思うかもしれませんけれども、それでも、そういう問題意識を持ってもらうだけでも非常にいいので、日本の国内だけでなくて、外国でも見られるような手だてを考えてほしいと思います。
- ・最後のところ、この番組の詰めだと思うのですが、相手国の人たちの主張をもう少しはっきり描き出せなかったか、と思います。そこにもう少し時間をとってほしかったです。それぞれの国の主張のぶつかり合いであることはわかりましたけれども、最後のところをしっかりと、もうちょっとこまやかに描き出してもらえると、見た後、もう一つ深く心に残るんじゃないかなという感じがしました。
BS-i 番組審議会委員
- 委 員 長
- 天野 勝文 (日本大学教授)
- 副委員長
- 荒川 洋治 (現代詩作家)
- 委員
- 逢坂 剛 (作家)
- 委員
- 鳥飼 玖美子(立教大学教授)
- 委員
- 沼田 早苗 (写真家)
- 委員
- 村 和男 (弁護士)
- 委員
- 師岡 文男 (上智大学教授)