第37回
2012/04
2012年4月26日に第37回BS-TBS放送番組審議会が開催されました。審議会委員は8名が出席され、BS-TBS側からは平本社長以下8名が出席致しました。
第37回の審議会は、テレビ番組「ニュース少年探偵団」について審議を行いました。
放送日 | 2012年4月15日(日)18:00~18:54 |
委員からは以下のような意見・感想がありました。
- ・ニュースを子どもと見て一緒に考えるというコンセプトはすばらしいと思うが、それと内容の実態が余りかみ合ってないかなというのが率直な印象でした。穴埋め的な情報を子どもが学校の受験対策みたいにするというのも、正直、違和感を覚えました。かつ、その情報を知ったところで、どういうメッセージがあるのかというところが余り伝わらないので、情報を重視し過ぎているような印象がありました。
- ・「穴うめ一週間」ちょっと残念だった。あれをやることによって、浅薄なニュースの取り扱い方になってはいないかなと。ただ解説するよりも、何か子どもをキャッチしようという工夫の1つだとは思うが、もうひと工夫をお願いしたいなと。受験勉強みたいな感じがしましたので、そこのお知恵をもう1つお願いしたいと思いました。
- ・「探偵団は見た」という中にも、取り扱うテーマの一貫性が欲しいと思います。例えば私は日本人の誇りとか日本文化についての知識といいますか、日本という国が持っている資質とかすばらしさとかいうものが伝えられるようなものを、幾つかのテーマの中に1つの筋に立てていただきたいなと思っています。
- ・「あの人に会いたい」のところも、どういうテーマで人を選ぶのかということも、やっぱり一貫したコンセプトやテーマを持ってお選びいただきたいと思います。
- ・三雲さんがすごくよかったと思いました。何かお母さん的な感じで、返事も言い直させたりして、それが自然でしたし、温かい雰囲気もありますし。森さんはまだなれていらっしゃらない感じでしたけど、そこもよくフォローしていたので、良かったと思います。
- ・子どもの探偵リポートがありますが、あのコーナーの中で小林さんが絵を紹介したとき、「この子は画才がある」とか「この子はこれから来ますよ」という言い方をなさった。この2つは厳に慎むべきことと思います。それは彼がこの子どもを評価しているわけですね。いい悪いということを言っている。これは絶対やっちゃいけないのではないかと思いました。これは残念でした。
- ・この1時間の中で何を目的にした番組なのかという意味ではあれも欲張っていたかなという感覚はありました。
- ・「あの人に会いたい」コーナーは、私たちも知らないような職業とか職人さんとか、そういう人をどんどん取り上げてもらいたい。
- ・「探偵団は見た」も、私は環境というのを1つの柱で行くのかなと思ったりもしましたけども、農業体験してみるとか、新しい今からの価値観みたいなもの、社会というか人間の、そういうものにつながるような発見があるといいなと思いました。
- ・「穴うめ一週間」はクイズ感覚で見られるし、クイズ感覚が子どもたちには受け入れやすく勉強できるのではないかなと思いました。また解説で黒板とチョークを使ったのは、あれは何回も使えるので、エコという点でもいいなと思いました。
- ・「ニュース少年探偵団」とか「探偵団は見た」というのは、なかなか今風で、ネーミングはおもしろいと思います。
- ・タイトルからすると「少年探偵団」、少年探偵団というと少なくとも少年が調べるという形式をイメージしますけども、そういう感じではなくて、これはどっちかというと、中身を反映したネーミング「こどもニュース教室」みたいな、そんな感じですね。だから、タイトルとのずれがちょっと気になった。どちらかというと子どもが調べるというスタンスをもうちょっと追求したほうがいいのかなと思いました。
- ・「ニュース穴うめ一週間」は、この1週間何があったかということをみんなで見ようねということだと思いますが、何が問題になっているのかということを説明してない。子供たちがどれくらいの理解度なのかというのを一応モニターした上で、言葉を選んでいかないと、すれ違っちゃう可能性があります。
- ・ニュースの選択もかなり難しいなと。要するに少年探偵がいかにも興味を持つものを並べていかないと、食いつきが悪いニュースを並べても余りおもしろくないと思います。4つくらいをその週のニュースから拾ってくるというときに、どういう興味を引き出して、子どもに世界に対する目を開かせるか、そこはとても大事なような気がします。
- ・これは時間的にちょっと無理かもしれないけど、子ども同士でディベートというほどじゃないですけども、その問題について意見の交換をしたりするような場が欲しいなという感じがしました。これは時間がないから難しいかなという気もするのですが、少し別のコーナーを絞って、そういうところを見せてほしかったなという感じがしました。
- ・番組で取り上げるニュースは限られているわけで、それはやっぱりテレビという画面の中では無理で、新聞をバッと広げないと見えないですね。だから、子どもにニュース感覚を与えるために、常に新聞をバッと開くという習慣をこの番組で少し教育してほしいなと思いました。
- ・主とした対象は小学校高学年に置かれているのかなと思いますが、レベルの高いことを彼ら、彼女らは勉強している。その子たちが主体になって発掘していって、それを森さんがフォローしていくようにしてもらうと、もっと子ども中心で、子どもも楽しめるし、大人も、ああ、なるほどと勉強にもなる、そういう番組に広がっていくのではないかなという感じがしました。
- ・「穴うめ一週間」というのは教室だよなと思いました。教室形式で、子どもはあそこで正解することだけに集中している。私自身もそうでしたね。ニュースの本質よりも、そこで何が正解かというところにいっちゃうと、正解するとうれしくて、それで終わっちゃって、実際のニュース本体の話がそっちのけとまでいかないですけど、ちょっと関心が薄れてしまうという気がしました。
- ・ニュースの選択基準をどうするのか、これは非常に難しい問題で、ある意味、子ども目線に完全になる必要はないですけれども、やっぱり大人として教育をするという義務が我々はあるわけで、今起きていることを子どもにもちゃんと理解してほしい。これはすこく難しいですね。コメントの部分で「こういう見方もあるぞ」と、いろんな見方を見せるというのもこれからの課題だろうし、必要なのかなと思いました。
- ・「なるほど森さん」のコーナー、子どもの回答を誘導し過ぎている。自由な発想でもっといろんなことを言わせることがあっていい。
- ・「探偵団は見た」、あれも確かにああいう体験で、しかもテレビの真骨頂は自分が行けないところに行ってというのを見せてくれることで、それは非常に良い。子どものよさを引き出そうと思ったら、子どもだけ引っ張っていくのがいいかなとちょっと思いました。
- ・この番組をつくるためだけということよりも、むしろバックヤードでお子さんたちを育てる必要があると思うので、子どもたちを集めて、モニターみたいなのをやったらどうかと思います。