第14回
2004/10
2004年10月25日に第14回ビーエス・アイ放送番組審議会が開催されました。 審議会委員は5名が出席され、ビーエス・アイ側からは生井社長以下7名が出席致しました。
第14回の審議会は、テレビ番組「ハイビジョンのひととき 私の美術館~ちひろ美術館~」について審議を行いました。
*「ハイビジョンのひととき 私の美術館~ちひろ美術館~」の放送日時:10月12日(火曜日)午後10時~10時54分
テレビ番組「ハイビジョンのひととき 私の美術館~ちひろ美術館~」について委員からは以下のような意見・感想がありました。
- ・今回見せていただいて、子供のやわらかさとか、かわいさだけでなくて、戦場の子供のあわれさみたいなものが表現されていて、奥が大変深いなという感じがいたしました。最後の、「子供は全部が未来だし」という言葉も大変印象に残りました。館長さんが長男の方ということで、1つ1つの言葉に研究員とは違った温かさがあって、大変いい感じで受けとめられたし、選曲もナレーションもゆっくり見れるなという感じで、大変よかったと思います。
- ・これはハイビジョンという最新の技術を生かすための番組ですからしようがないとは思うのですが、絵は非常にきれいだと思うんですね。だから、ビデオの方で見ると余りおもしろくないんですね。 12日にやった生の方ですと、確かに「ああ」と。それは、絵のインパクトもさることながら、ハイビジョンという技術のインパクトの強さが結構ありまして、ビデオで見るとそのインパクトが大分薄れちゃって、やや取りとめのない印象もあるんですね。これはハイビジョンを主眼に置いた番組だから仕方ないといえば、そういうことかもしれませんけれども、ちょっとそこに不満が残りました。
- ・絵の紹介が中心になるのはしようがないとは思うんですけれども、やはりいわさきちひろさんご本人の人となりとか、もう少し突っ込んだ構成であってもよかったかなという気がちょっとします。
- ・時代を超えた画家といってもいい人だと思うんですけれども、その割に、どういう生い立ちで、どういうあれをしてきたのか。だんなとはどこで知り合ったのか。大きなお世話かもしれないけれども、そういうようなこともちょっと知りたくなる。つまり、彼女がああいう絵を描きたくなった背景には何があるのか。単に長男が生まれたというようなことだけではないんじゃないかという気もして、その辺がちょっと食い足りなかった。
- ・このちひろ美術館には、私は、子供が小さいころ、3回ぐらい行きました。ちひろさんの絵は私も配偶者も好きで、あそこの美術館に行くと、子供がやっぱり一番喜びましたね。安曇野には当時はなかったと思うんですけれども、専ら練馬の方に3回ぐらい行って、ずっと我が家のカレンダーはちひろさんのカレンダーを使っていました。だから、あの番組で紹介されたかなりの絵は、実際、原画で見させてもらった経験がありましたので、非常になつかしく、楽しく見させていただきました。
- ・○○先生がおっしゃったとおり、ビデオで見るのと、ハイビジョンの実際で見るのは全然違いましたね。だから、ハイビジョンのすごさを改めて痛感させられる。そういう意味では、本当にいい番組だったと思いました。
- ・形よりも感触を大事に子供の様子を描いたいわさきちひろ、その画家としての心を伝えるには、もう少し言葉があってもいいと思いました。絵の描き方は終始余り変わらない人のようで、そのような安定性がどこから来るのか知りたいと感じました。子供を描く他の絵本画家との違いは何かについても。美術館の番組は、絵なのか、建物なのか、番組なのか、難しいことになると思いますが、そのために定型化しがち。この番組だけにある視角が必要かと思います。この絵を見る人たちがどうとらえているのかについても、もう少し知りたかったです。
- ・先ほどもどなたかご指摘がありました館長とか学芸員がいろいろコメントするのが、このほかの番組でも要所要所に出てくるんですね。その中で、やはり長男の猛さんのコメントは非常に的確、つまり、自分がモデルになって、お母さんが描いて、そのさわった感触というものがよく描かれているというのは、なるほどなと思いました。
- ・火曜日の 22時、オトナの時間、まさにゆったりと見る雰囲気が本当に出ておりまして、語り口とBGMが強過ぎるというご指摘もございましたけれども、私にとっては非常に心地よく流れて、本物を生で見たときは感動して見ていたんですが、ビデオのときは、2回目に見たこともあるんですけれども、疲れていたせいもあって、ちょっとうつらうつらくる。逆に、そのぐらい癒し系の構成だったなという感じがします。
- ・私も伺いたかったのは、○○先生のコメントにある、この番組としてこういう美術館シリーズをやる視点、視覚は、共通してこのシリーズに流れている1つの論調であったり、見方であるとか、そういうものがどの辺にあるのかというのは、もう少し強調されてもよろしいのかなという気がいたしました。
10月31日をもって、以下3名の委員は退任することになりました。
・天野 勝文 氏
・荒川 洋治 氏
・鳥飼 玖美子 氏
11月1日より、以下3名が委員に就任することになりました。
・黛 まどか 氏
・野間 省伸 氏
・成田 康昭 氏
委員長・副委員長は、平成 17年1月17日のビーエス・アイ放送番組審議会にて確定します。
BS-i 番組審議会委員
- 委 員 長
- 天野 勝文 (日本大学教授)
- 副委員長
- 荒川 洋治 (現代詩作家)
- 委員
- 逢坂 剛 (作家)
- 委員
- 鳥飼 玖美子(立教大学教授)
- 委員
- 沼田 早苗 (写真家)
- 委員
- 村 和男 (弁護士)
- 委員
- 師岡 文男 (上智大学教授)