AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。
メニューへジャンプ今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?
絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…
今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?
絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…
数あるルノアール作品、その中で“名作”と呼ばれる作品には、必ず特定の女性が登場する。
時にしとやかな淑女にもなり、時にみだらな娼婦にもなる彼女たち。
そして彼女たちは、モデルとしてだけでなく、私生活でもルノワールをそばにいて彼に刺激を与え続けた。
そう、ルノワールの絵画に出てくるモデルたちは、彼の愛した女性たち。
ルノワールの人生を華やかに彩り、絵を描く喜びを与えてくれる“美しい花”だった。
色合いを抑えた背景。それとは対照的な鮮やかな白いドレス。
見事に描き出されてた光と影のコントラスト。
この作品でルノワールは、念願のサロンへ入選を果たす。
それだけではない、実はこの作品、若き日のルノワールの実験的な試みでもあった。
それまでの人物画では、顔の部分に影を落とすような描き方はなかった。
「人物画において、顔は最も明確に描かれるべき」
そんな、絵画の世界ではあたりまえとされたルールよりもルノワールが重要視して見せたのは、実際に自分の目で見た印象だった。
思わず触れたくなるような肌を描くために、表現方法を捜し求めたルノワール。
その創作の旅は、彼の使用していた絵筆からも見て取れる。
画家が使う絵筆は、ふつう“豚の毛”を使ったもの。
しかし彼は使用していたのは、イタチの仲間である“テンの毛”を使った高価な物だった。
空腹を耐えてでも手に入れた高級な筆。ルノワールは、こうしたやわらかい筆を顔の輪郭を描くときに使用したという。まるで、キャンバスの女性に、化粧を施すかのように色づけしていったという。
ルノワールの作品に登場する女性たち。彼女たちは、ルノワールが愛した女性でもあった。
本業のモデルをやとうことができなかった彼は、自分の恋人をモデルにしたのである。
若いころは、とても神経質だったというルノワール。
そんな彼が惹かれた女性は、自分とは正反対の、どこかあけっぴろげで、危険な匂いの漂う女性たちだった…。