AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。
メニューへジャンプ今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?
絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…
今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?
絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…
室内にたたずむ、たったひとりの女性を描いた作品を1660年代のフェルメールは次々と描いていった。そのどれもが、フェルメールが絶頂期を迎えていたことを示す傑作ぞろいである。
「青衣の女」の女の背後、右後方に描かれたのは17世紀のオランダの地図である。しかし、この地図はなぜか、右に90度回転して描かれている。では、一体、なぜフェルメールは、背景に通常とは異なる向きに地図を描き込んだのか。
また、この作品には「地図」と同じく、17世紀のオランダを物語る、もうひとつの「キーワード」が描かれている。それこそが「手紙」である。そしてフェルメールは、手紙を描くことで、絵の中に、驚くべき物語を隠していたのである!
このころのフェルメールは色彩をぐっと絞り込みながら、それを感じさせないほど極めて繊細に、光に溢れた洗練された作品を作り出している。
さらに4大傑作の一つ、「真珠の首飾り」。この作品にも、実は近年になってある事実がわかった。この作品のの背景は、白い壁。ところがX線を使って調べたところ、いったん地図が描かれ、消されていたことがわかったのだ。
では、一体、なぜフェルメールは、背景に地図を描き込んだのか。
フェルメールと言えば「青」。
青は古代から宝石として珍重されたラピスラズリから作る。これはアフガニスタンから海を渡ってくるため、ウルトラマリンブルーとも呼ばれる。
こうした貴重な鉱石が集まったのもオランダが7つの海を支配した黄金時代だったからこそなのであった。
17世紀にオランダ・デルフトという小さな町で生まれ育った「光の画家」。
その生涯について謎に包まれており、作品の工程日数や制作記録、デッサンなども発見されておらず、43年という短い生涯で残した作品は三十数点しか確認されていない。モチーフや構図、構成、色彩などシンプルだが、落ち着いた光の中で、日常的行為をあたかも静物のように捉え、独特の室内空間を作り出している。
また、フェルメール・ブルーと呼ばれるラピスラズリ(ウルトラマリンの原料)の「美しい青」が特徴でもある。