AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。

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毎週土曜日よる22:00〜22:30
毎週日曜日7:00〜7:30再放送

今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?

絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…

フェルメール Johannes Vermeer

#18 「牛乳を注ぐ女」

11月1日O.A.(2日7:00 再放送)
1月31日O.A. (2月1日再放送)
声の出演 筧利夫(フェルメール役)
テーマ音楽:宮川彬良
『牛乳を注ぐ女』

「牛乳を注ぐ女」

所蔵:アムステルダム国立美術館(オランダ・アムステルダム)

美しい光にあふれた土間の台所で、牛乳の入った甕を支え、じっと白い液体の落ちていく様を見つめている、一人の女。当時のパンはまだ固かったため、人々はパンを牛乳に浸して食べていた。 フェルメールの代表作として人気の高い「牛乳を注ぐ女」は、17世紀オランダに暮らす一人の女の平凡な日常を描いただけの作品だ。
だが、見る者は圧倒的な存在感の女に目を奪われ、彼女が注ぐ牛乳、そしてテーブルのパンを、ただただじっと見つめてしまう。
まるで牛乳を注ぐという行為が、美しく荘厳な儀式のように感じてしまうのだ。一体、それはなぜなのか?実はこの名作のモデルには、驚くべき秘密が隠されていた。

『マルタとマリアの家のキリスト』

「マルタとマリアの家のキリスト」

所蔵:スコットランド・ナショナル・ギャラリー(イギリス・スコットランド)

フェルメールが結婚した頃、彼は現存する絵の中で最も古い作品を描いた。それは「牛乳を注ぐ女」のような作品とは全く違う、なんとも意外なものだった。
「マルタとマリアの家のキリスト」
キリストの一行を家に迎えた、姉マルタと、キリストの話に耳を傾け、なにも手伝おうとしない妹マリア。聖書の有名なエピソードをテーマにしたものだ。
当初、フェルメールが描いていたのは、「牛乳を注ぐ女」の様な市民の日常生活を描いたものではなく、意外にも古典的な宗教画だったのだ。一体、それはなぜだったのか?



謎の天才画家フェルメールが、絵画に潜ませた秘密とは、何だったのか。その謎ときは、フェルメールの故郷である小さな港町・デルフトから始まる。
アムステルダムから車で1時間、東西0・8キロ、南北1・3キロの小さな町、デルフト。
17世紀のデルフトは、オランダ随一の美しい街といわれ、ビールや毛織物などを海外に輸出する商業都市として繁栄を極めていた。そんな当時の面影を今もデルフトは色濃く残したままだ。フェルメールはデルフトでどのような人生を過ごしたのだろうか?

ヨハネス・フェルメール
Johannes Vermeer (1632-1675)

17世紀にオランダ・デルフトという小さな町で生まれ育った「光の画家」。
その生涯について謎に包まれており、作品の工程日数や制作記録、デッサンなども発見されておらず、43年という短い生涯で残した作品は三十数点しか確認されていない。モチーフや構図、構成、色彩などシンプルだが、落ち着いた光の中で、日常的行為をあたかも静物のように捉え、独特の室内空間を作り出している。
また、フェルメール・ブルーと呼ばれるラピスラズリ(ウルトラマリンの原料)の「美しい青」が特徴でもある。