AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。

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毎週土曜日よる22:00〜22:30
毎週日曜日7:00〜7:30再放送

今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?

絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…

モネ Claude Monet

#14 「印象 日の出」

10月4日O.A.(5日7:00 再放送)
1月3日O.A. (4日再放送)
声の出演 奥田瑛二(モネ役)
テーマ音楽:宮川彬良
『印象 日の出』

「印象 日の出」

所蔵:マルモッタン・モネ美術館(フランス パリ)

「印象派」という新たな芸術の日の出となった作品。太陽がほの暗い海を光で照らす一瞬の光景を描いた作品。カンヴァスを埋める大胆な筆遣いは、光を受けて輝く水の情景を映し出している。この作品は夕日が沈むまでのわずか2時間で描かれた。大胆なタッチには光に追いつくための周到な計算が隠されている。モネが追い求めた芸術は単純な写実ではなく、心の残った美しい印象を残すもので、この作品はモネにとって新たな画家人生を切り開く一枚となった。

『ラ・グルヌイエール』

「ラ・グルヌイエール」

所蔵:メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)

パリ近郊のリゾート地、グルヌイエールに友人の援助で滞在したモネは制作に没頭した。
モネが追求したのは風景、特に太陽の光を反射する水辺の美しさだった。
モネの特筆すべきテクニックは、水面の描写に平筆を使ったことだ。
彼は光との関係で、水面の明るい部分と暗い部分を瞬時に見極め、横の線を重ねることで揺れ動く水の表情を表現した。


当時のフランスのアカデミーは写真のように細かいタッチを絵画に求めていた。モネは保守的な技法よりも故郷・ノルマンディ地方の港町ル・アーブルで見たような、一瞬の光と色の表情を追い求め、屋外で制作を続けた。しかし、宗教画でも神話画でもないモネの絵は美術界から非難された。画家としての生き方を模索するモネは、アカデミーに認められない展覧会で運命を変える作品に出会う。心を揺さぶられたモネは、たまらず屋外で描き始めた。

クロード・モネ
Claude Monet (1840-1926)

時間や季節の移り変わりの中で表情を変えていく、一瞬の自然の姿をありのままに捉え続けた、印象派の巨匠。ジヴェルニーに再現した日本式庭園や浮世絵など、東洋文化にも造詣が深く、モネの中にある日本のイメージが作品に与えた影響は計り知れない。光や風の一瞬の輝きをカンヴァスに閉じ込める驚くべき能力、巨大な連作で20世紀の絵画に多大な影響を与えた。