AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。

メニューへジャンプ
毎週土曜日よる22:00〜22:30
毎週日曜日7:00〜7:30再放送

今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか？

絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…

セザンヌ Paul Cézanne

#9 「セザンヌの師・カミーユの生涯」

5月31日O.A.（6月1日7:00 再放送）
8月30日O.A.（31日再放送）
声の出演　林 隆三（セザンヌ役）
テーマ音楽：宮川彬良
『ポントワーズの花咲く菜園・春』

「ポントワーズの花咲く菜園・春」

所蔵：オルセー美術館（フランス・パリ）

ピサロとセザンヌが親しく交流した最後の年に描いた作品である。カンヴァスに絵具をならすように塗ってなめらかな表面にするというよりも、一つ一つの色をたっぷりと筆ですばやく塗りつけて、色のぶつかり合いを表現している。このテクニックから生じた絵具の積み重なりは、特に白い花のところで非常に厚く、絵の表面から浮き上がって見えるほどである。これは花咲く季節の生命が溢れ出る様を表している。この強引なタッチはセザンヌの影響とも言われている。

『井戸端の女と子供』

「井戸端の女と子供」

所蔵：シカゴ・アート・インステイテュート（アメリカ・シカゴ）

誰からも慕われ、印象派の画家たちを育てたピサロ。しかし、印象派の時代は黄昏を向かえ、ピサロは迷い、悩んでいた。そんな中、点描画法という新たな表現方法を確立した新印象派の希望の星・スーラに救いを求めた。
この作品はスーラに出会う前の作品であるが、点描画のタッチに挑んでいた。自分の進むべき道を模索して、さまざまな試行錯誤を繰り返していた。この作品はまさにスーラの迷いの象徴といえるだろう。


ピサロとセザンヌ

ピサロは他の印象派のメンバーよりも10歳以上年上であり、温厚な人物だったため、画家たちにとても信頼された存在だった。ゴッホやセザンヌらの若い世代の画家を大いに励ましていたピサロ。生来気難しく、人付き合いの悪かったセザンヌさえもピサロを師と仰ぎ、しばしば共同制作をしていたという。 そんな印象派画家たちのまとめ役でもあり、セザンヌの師ピサロの生涯からこの時代を振り返ると、新しい発見があるのだ。

ポール・セザンヌ
Paul Cézanne

近代絵画の父と呼ばれ、20世紀絵画の扉を開いた後期印象派を代表する孤高の画家。多角的な視点から描く絵画、内面に迫る心情性に富んだ形体・色彩の表現を実践し、従来のアプローチとは異なる、独自性に溢れた革新的な表現方法を確立。自然の中に幾何学的配置を見つけ出そうとした手法は、後の世代の画家たちに絶大な影響を残した。人間嫌いで社交下手としても有名だった。