AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。

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毎週土曜日よる22:00〜22:30
毎週日曜日7:00〜7:30再放送

今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?

絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…

セザンヌ Paul Cézanne

#8 『サント・ヴィクトワール山』

5月24日O.A.(25日7:00 再放送)
8月23日O.A.(24日再放送)
声の出演 林 隆三(セザンヌ役)
テーマ音楽:宮川彬良
『サント・ヴィクトワール山』

「サント・ヴィクトワール山」

所蔵:オルセー美術館(フランス・パリ)

晩年を故郷エクス・アン・プロヴァンスで過ごしたセザンヌが、何作も書き残した風景、それこそがサント・ヴィクトワール山。
驚くことにセザンヌは、この山を44点の油画と43点の水彩画で残している。一体、なぜセザンヌはこんなにも山を描き続けたのか。そして、そこに秘められた知られざる日本との関係とは?さらに、孤高の画家は、どのようにして認められ、「20世紀絵画の父」とまで呼ばれるようになっていったのだろうか?

セザンヌは、少年時代にゾラや他の友達と一緒に、そして成人した後もずっとサント・ヴィクトワール山に登っていた。サント・ヴィクトワール山は子供時代の思い出であり、セザンヌやゾラに強烈な印象を与えたものだった。サント・ヴィクトワール山は現在、セザンヌと共にあります。そして、彼のおかげでサント・ヴィクトワール山はエクス・アン・プロヴァンスの風景から切り離すことができない存在になったのです。
セザンヌにとってサント・ヴィクトワール山は、さまざまな様相を見せる、格好のモチーフであり、新しい構図を生み出す、汲めども尽きぬ泉であった。こうしたモチーフを前にセザンヌはあらゆる芸術的表現を試みたのです。


1906年10月15日。セザンヌは、いつものように故郷エクスにあるサント・ヴィクトワール山に向かっていた。雄大な山の風景を前にその筆を握る手はいつもより力強く、何かに取り付かれたように画を描き続けていた。 しかし、セザンヌにとってこれが最後の風景になろうとは彼自身、知る由もなかった。 彼は、今も故郷エクス・アン・プロヴァンスの地でサント・ヴィクトワール山に見守られながら眠っている。

ポール・セザンヌ
Paul Cézanne

近代絵画の父と呼ばれ、20世紀絵画の扉を開いた後期印象派を代表する孤高の画家。多角的な視点から描く絵画、内面に迫る心情性に富んだ形体・色彩の表現を実践し、従来のアプローチとは異なる、独自性に溢れた革新的な表現方法を確立。自然の中に幾何学的配置を見つけ出そうとした手法は、後の世代の画家たちに絶大な影響を残した。人間嫌いで社交下手としても有名だった。