AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。

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毎週土曜日よる22:00〜22:30
毎週日曜日7:00〜7:30再放送

今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?

絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…

セザンヌ Paul Cézanne

#6 『首吊りの家』

5月10日O.A.(11日7:00 再放送)
8月9日O.A.(10日再放送)
声の出演 林 隆三(セザンヌ役)
テーマ音楽:宮川彬良
『首吊りの家』

「首吊りの家」

所蔵:オルセー美術館(フランス・パリ)

「首吊りの家」と呼ばれるフランス・オーヴェールの景観を描いた絵画。
この絵の題名はこの絵にまつわる物語があるのではないか?と見るものに想像させるが、名前の由来は確かではない。1873年にセザンヌが描いたこの絵は、絵の真実を求め続けた彼にとって最初にして最大のターニングポイントだった。
印象派時代を象徴するこの絵は、セザンヌが決して印象派に留まることがないことを予感させるものだった。この絵は他の印象派画家とは異なる緻密な構成がなされている。
そして孤独な創作活動を始め、さらに驚くべき進化を遂げていくのであった。

なぜ、セザンヌの絵はオーヴェールで劇的に変化したのだろう?そこには1人の人物との再会があった。
「カミーユ・ピサロ」
印象派の画家として最年長の彼はモネ、ドガ、ルノワール、ゴッホなどから慕われていた。印象派の父を呼ばれていたピサロは純粋な色彩の点描により戸外でキャンバスに描く方法を作り出していた。決まりや原則に従うことなく、自分の眼で見たものだけをキャンバスに描く、ピサロはセザンヌにそう教えたのだった。


モネやルノワールに遅れて印象派の仲間入りをしたセザンヌ。その画風は驚くほど明るい色調へと変化していた。さらにセザンヌはスピードや軽やかさを特徴とする印象派の絵画に満足することなく、厳格さや真剣さも求めていた。近代絵画の父と呼ばれ、ルネッサンス以来400年間続いた絵画の歴史を覆したセザンヌ。なぜ彼は印象派と決別し、新たな道を歩むようになったのであろうか?

ポール・セザンヌ
Paul Cézanne

近代絵画の父と呼ばれ、20世紀絵画の扉を開いた後期印象派を代表する孤高の画家。多角的な視点から描く絵画、内面に迫る心情性に富んだ形体・色彩の表現を実践し、従来のアプローチとは異なる、独自性に溢れた革新的な表現方法を確立。自然の中に幾何学的配置を見つけ出そうとした手法は、後の世代の画家たちに絶大な影響を残した。人間嫌いで社交下手としても有名だった。