AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。

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毎週土曜日よる22:00〜22:30
毎週日曜日7:00〜7:30再放送

今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?

絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…

ゴッホ Vincent van Gogh

#3 『夜のカフェ・テラス』

4月19日O.A.(20日7:00 再放送)
7月19日O.A.(20日再放送)
声の出演 西村雅彦(ゴッホ役)
テーマ音楽:宮川彬良
『夜のカフェ・テラス』

「夜のカフェ・テラス」

所蔵:クレラー・ミュラー美術館(オランダ・オッテルロー)

ゴッホが最も好み、自分の色だと感じていた黄色。この「夜のカフェ・テラス」のような夜の風景を描いているにも関わらず、そのパレットには、鮮やかな黄色が躍っていた。
この作品には、ゴッホの特徴でもある、厚く絵具を塗り重ねる技法がたいへん効果的に用いられている。黄色の積み重ねは、ガス灯の明かりをあやしく光らせ、濃紺の星空と美しいコントラストを描いている。ゴッホは、夜を明るいものと感じていた。
夜こそ、色彩豊かに描きたいと考えていたのだ。彼の描く夜の世界には、黒という色は全く使われていない。

アルルの跳ね橋

「アルルの跳ね橋」

所蔵:クレラー・ミュラー美術館(オランダ・オッテルロー)

南フランス・アルル。ゴッホを魅了した、焼けつくような太陽の光。
その光がもたらす、木々や水面の美しい色合いをゴッホは、カンヴァスの中に閉じ込めた。洗濯する女性たちがつくる水面の波紋。そして、橋を渡る馬車。のどかな川辺の風景を、みずみずしく描いた。この作品の中で、ゴッホが基調とした色はわずか6色。ゴッホは、パレットにわずかな種類の色をのせ、その数少ない絵の具を駆使し、多様な色彩の世界を表現した。彼は、特に対照的な色を好んで使用した。
たとえば、赤茶と緑。あるいは、青とオレンジといった組み合わせ。これらの2色は同時に置かれた時、お互いが影響しあってアクセントになる色同士なのである。
「アルルの跳ね橋」は、そんなゴッホが好んだ色彩効果が存分に生かされた作品である。

アルルの部屋

ゴッホがあれほど、楽しみにしていたゴーギャンとの共同生活。
しかし、たった9週間で終止符が打たれたのである。
アルルでのユートピアが崩壊すると、彼の内面には、新たな闘いが繰り広げられていた。 宗教と自然の壮絶な闘い。アルルでの入院以来、発作を繰り返すようになった彼は、 同じ南仏のサン・レミの精神病院に入院して、治療をすることにした。
「宗教」と「自然」
自分を生かすものは・・・、神か?自然か?
そして、人々を救うのは・・・、神か?自然か?
真に偉大なのは・・・、神か?自然か?
ゴッホは、その答えを作品を描くことで模索し続けた。

フィンセント・ファン・ゴッホ
Vincent van Gogh

印象派の時代に活躍し、最もドラマティックな生涯を送った不世出の天才画家、フィンセント・ファン・ゴッホは、生涯で2000点を超える作品を描きながらも、たった1点の絵しか売れなかった不遇の画家。彼はなぜ「ひまわり」を描いたのか、なぜ日本に憧れていたのか、彼の人生を振り返ると数多くの絵画の謎が紐解かれていく。