バックナンバー

11月 ハワイ/オアフ島
  • 11月6日放送

    一年を通して、多くの観光客でにぎわう、世界屈指のリゾート地、ハワイ。観光の中心地であるワイキキから少し足を伸ばすだけで、大自然を間近に感じることができる南の楽園。

    「フラ」の紀元は、ハワイにやってきたポリネシア人により持ち込まれた舞踊が、ハワイにおいて発展したものと言われています。その昔、文字を持たなかったハワイの人々は、「チャント」と呼ばれる唄で歴史的な事柄や文化などを後世に伝えていました。そして、音楽にのせ、歌の内容が踊りで表現され「フラ」が誕生したといわれています。この力強く厳粛なフラは、古典フラ「フラ・カヒコ」と呼ばれています。

    口承と踊りによって歴史や文化を語り継いできた踊りには、魂が宿ると信じられ、フラダンサーは人々に物語を伝えるストリーテラーなのです。


  • 11月13日放送

    アメリカ唯一の王宮「イオラニ宮殿」は、フラの歴史を語る上で外せない場所。この宮殿を築いたのは、「陽気な国王」の愛称で親しまれたデイビット・カラカウア。カラカウアは、ハワイの文化や伝統の復興につとめ、当時アメリカからの宣教師によって踊ることを禁じられていた「フラ」を自らの即位式で、およそ50年ぶり復活させたのです。

    またカラカウアは、才能あるダンサーたちに新しいフラを生み出すように推奨。賓客が来ると宴を開いては披露していました。そうして生まれたのが「フラ・アウアナ」、現代フラと呼ばれ、私たちが今日目にする多くがそれなのです。

    伝統的な打楽器とチャントに合わせて踊る古典フラに対し、現代フラはウクレレやギターが奏でるハワイアンソングに合わせて踊ります。また、古典フラは樹皮の皮をなめした布を身にまとうが、現代フラは西洋から入ってきた筒型のドレスがアレンジされたムームーを着て踊ります。しかし、スタイルは違えど、古典フラも現代フラも、詩の内容を身振りで表現することは共通しています。


  • 11月20日放送

    ホノルルには、フラを気軽に見れるステージが多数あり、無料でハワイアンカルチャーを楽しむことができます。中心地ワイキキは、かつてハワイ王族が避暑地として愛した場所。ワイキキの近くにある「オノハワイアンフード」では、かつて王族も愛したハワイアンフードを楽しむことができ、今でも地元の人たちが、伝統の味を求めてお店にやってきます。

    伝統料理のひとつ、「ポイ」はハワイアンの主食。蒸したタロイモを石臼ですりつぶして作ります。「ポイ」など様々な伝統料理やお酒とともにフラを楽しめるのが「ルアウ」。ルアウとはハワイ語で「宴会」という意味。ハワイの人々は、何かの記念になることや来客があると「ルアウ」を開きます。そこにフラは欠かせないもので、宴会を盛り上げ、華を添えてくれます。


  • 11月27日放送

    フラにおいて、切っても切れない関わりをもつのが「レイ」。そして踊りをにぎやかに、楽しくしてくれる楽器。どちらも歌詞の内容を伝えるためには欠かせないものです。

    ハワイ語で「首飾り」を意味するレイ。家族のお祝いや愛の証として、ある時は魔よけとして、生活全般に深く浸透してきました。また、フラでレイを使うためには、森や山に自ら入り、自分の手で材料を集めてくるのが基本。山に入る時には、山の神に歌を歌い、フラのために許しを得てからとなります。使い終わったレイは、ゴミとして捨ててしまうのではなく、きちんと自然に返すことが基本なのだそう。

    フラに使われる楽器も、歴史とともに語り継がれてきたものが多くあります。「イプ」という楽器は、ポリネシア人がハワイにやってきた時から使われていた楽器。ひょうたんの中身をくり抜いて乾かしたもので、大きければ大きいほど低い音がでるそう。自然の素材で作られた楽器、その音色は素朴だが、聞く者の心をつかみます。