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2014年8月23日放送

不安定な動きを見せるドル円相場も、長期的な視点で眺めると、そのトレンドに変化は見られない。2007年6月22日の高値124.14円から史上最安値となる2011年10月31日の安値75.31円までの長期下落局面は終了。一昨年末からは、アベノミクス相場がその「戻り局面」を形成し、今もその中にある。

今年は、年初に105.45円というドルの高値をつけているが、この水準はフィボナッチ係数で61.8%戻しと呼ばれる水準(105.48円)。いわゆるチャートポイントで、これが壁となってドルは跳ね返され、下値を探る展開となった。その後は、市場がリスクオフを意識するような事象が次々と起き、2月4日には100.75円、5月21日には100.80円までドルは売り込まれた。しかし、5月下旬頃からは、ファンドの運用責任者などが再び日本への関心を強め、アベノミクスポジションを「3度目の正直」として構築する動きが見られた。ただ、このところは「ウクライナ情勢」や「イラク情勢」の緊迫化を背景に、「リスクオフ」への意識も強まっている。

そうした状況の中にあって、今後は、年金資金など長期資金の動向が注目されている。また、「量的・質的金融緩和」を継続する日銀と、10月にも量的緩和を終了し利上げの時期を探ろうとしている米国金融政策との方向性の違いは明らかだ。更に、貿易赤字も傾向的には当面続きそうだ。そうであれば、円安傾向は自然な動きと言える。

今後、チャート的に重要なポイントである105.48円を完全に上抜ければ、ドル円が、全戻しの水準である124.14円を目指して上昇する強力なサインとなる。その場合は、110円程度のドル高は意外と早い時期に達成するかもしれない。

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