今週は、ドル高円安が進んだ。まず、29日に、7月米消費者信頼感指数が90.9と市場予想を上回ったことからドル買いが強まり102円台を回復。30日には4-6月期米GDP速報値が前期比年率4.0%と市場予想の3.0%を大幅に上回っことで更にドルが買いが加速し、一気に上値を試す動きとなった。FOMCの政策金利発表直後には、一時、103.15円まで上昇している。4月8日の高値103.12円を上抜けるとともに、200日移動平均線や一目均衡表の雲も上抜けてきた。
今週はドル円のローソク足チャートで、記録的な連続陽線が形成された。マレーシア航空機撃墜を受けたリスクオフで、7月17日にドル円は急落。18日の朝方には101.09円までドルが売り込まれたが、その後はドルの下値が切り上がる展開が続き、市場では「101.00円にまとまった買いが観測されている」との声も聞かれた。そして迎えた7月30日。4-6月期米GDP速報値が前期比年率4.0%と市場予想の3.0%を大幅に上回ったことが引き金となりドル買いが加速。一時、103.15円まで買い上げられる結果となった。米10年債利回りが10bpを越える急騰となったこともドル買いを後押しした。これまで長期に渡って狭いレンジ相場を演じていたドル円だったが、この動きがきっかけとなって動意付く可能性も出てきている。市場では「機関投資家の買いが目立つ」との声もあり、外債や外国株などリスク資産への投資を積極化させている可能性がある。
株式市場にも変化が見られる。アメリカの株式市場の上昇トレンドに陰りが見える一方、日本の株式市場が堅調さを増してきた。これまでは、前日のNYダウが下落すると翌日の日経平均も下落。NYダウが上昇すると日経平均は上昇、或いは大して反応しない、というのがこれまでのパターンであったが、最近は、NYダウが下落しても、翌日の日経平均は上昇するということが何回か続いている。こうした変化は、円安トレンドをサポートしている。
来週のドル円は先週に引き続き底堅い動きを予想している。7月30日の上昇を受けて目先のレジスタンスレベルを上抜けてきているためだ。米長期金利の動向にもよるが、ドルの上値では4月4日の高値104.13円や1月23日の高値104.845円が目先の目処。1月2日の年初来高値105.45円もレジスタンスレベルとして意識されよう。相場自身が動意付いていることもあり、思わぬ動きとなる可能性もあるだろう。一方、ドルの下値では、6月18日の102.38円や7月3日の102.27円が目先の目処として意識され、更に、200日移動平均線の102.14円がサポートレベルとなりそうだ。