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2014年6月28日放送

今週のドル円相場は、狭いレンジのなかで頭の重い展開となった。24日に、5月米新築住宅販売件数や6月米消費者信頼感指数が市場予想を上回る強い数字となったことを受けて、102.17円までドルが買い戻された。ただ、このレベルでは、18日の高値102.38円が戻りの目処として意識されドルの上昇は一服。逆に、25日にアメリカの1-3月期GDP確定値が、前期比年率▲2.9%と市場予想(▲1.8%)を大幅に下回る弱い数字に下方修正されたことから、一転してドル売りが強まった。26日のNY市場では、目先の目処として意識されていた200日移動平均線の101.66円や12日の安値101.60円を下抜けて、一時、101.32円までドル安が進んでいる。ただ、今週1週間の値動きはたったの85銭。先週も67銭に留まった。また、オプション市場の1ヶ月物のボラティリティも4.85%と史上最低水準を更新した。

23日に発表された6月HSBC中国製造業PMI速報値は50.8と市場予想の49.7を上回る強い数字となった。5月の49.4からも大幅に上昇。景気判断の節目となる50.0を上回ってきたことで、中国製造業の景況感に改善の兆しが出てきている。ただ、その一方で「不動産価格の下落」という問題が表面化してきた。

中国国家統計局が18日に公表した主要70都市の住宅価格動向によると、5月は、前月より価格が下落した都市が新築、中古共に35都市に上り、4月の新築8都市、中古22都市を大幅に上回った。また、上海の販売総面積を見ると、前月比で21.8%減少、前年同月比では34.9%も減少している。不動産ブームの終焉が伺われる数字で、北京などその他の主要都市においても、同様の傾向にあるようだ。

また、中国人民銀行の副総裁は、21日、「中国では住宅購入が資産を増やす主要な手段であり、経済発展に多くの問題をもたらしている」、「不動産バブルの崩壊し、更に経済危機を招く可能性もある」などと指摘している。そして、投資の不動産偏重を是正するため「金融商品や投資手段の多様化を進める必要がある」とも述べているが、現状では、効果的な対策を見出せていない。中国の不動産市場の動向には、今後も十分注意が必要だ。

来週のドル円相場は、動き出すきっかけを探すことになりそうだ。週明けの30日は月末、四半期末とあって実需のフローに注意したい。また、7月6日(金)は、NY市場が独立記念日で休場となる関係から、6月米雇用統計の発表がその前日の5日(木)になる。その日は、ドラギECB総裁の定例理事会後の記者会見も予定されているとあって注意が必要だ。

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