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2013年11月23日放送

今週の外国為替市場では、20日に公表された年金資金に関する有識者会議の最終報告書を受けて、国際分散投資やリスク資産の運用比率の増加への期待が広がり、海外勢中心にドル買いが先行する展開となった。ドル円は当面の上値のメドとされていた9月11日の高値100円62銭を抜けて、一時1ドル=101円36銭までドル高円安が進んだ。

株式市場でも、日経平均が一時1万5500円を突破。NYダウは初めての1万6000ドルに乗せるなど、日米ともに株高が進んだ。ドル高円安が両国の株価にもプラスに働いており、好循環が続いている。

こうした好循環のきっかけとなったのが、20日に公表された「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に対する有識者会議」(座長・伊藤隆敏東京大学教授)の最終報告書。その主な内容は以下の通り。

(1)国内債券の運用比率の引き下げ
(2)分散投資による収益最大化の努力
(3)不動産投資信託、インフラ、未公開株、商品等での運用を検討
(4)株式などの個別銘柄を選ぶアクティブ運用の比率引き上げを検討
(5)指数連動のパッシブ運用では、高収益企業中心の新指数の採用を検討

市場が期待しているのは、国債中心の従来の運用を改め、国際分散投資によりドル建て資産を増やすこと。そしてリスク資産の比率増加に伴う株式市場への資金の流入の2点だろう。今回の最終報告書の方針に従って運用方針が変更されれば、ドル高と株高が同時に加速することになる。今週の市場の動きは、こうした運用の変更を先取りしたものと考えられる。

ドル円相場は、来週にかけてドルの上値を試す動きとなりそうだ。5月22日の年初来高値103円74銭が当面のメドとなるが、このラインを突破すれば、一気にドル高が進む可能性も出てくる。海外のファンドが今月末から12月にかけて戻り売りに回ることも考えられるが、その場合でも、1ドル=100円が下値の心理的な抵抗線として働くのではないか。

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