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2013年11月9日放送

ユーロ・ドル相場は、10月25日に1ユーロ=1.3833ドルをつけて以来、ジリジリとユーロ高が進んでいたが、31日に発表された10月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の速報値が、市場予想の1.1%を大幅に下回る0.7%となったことを受けて、一転してユーロ売りが強まる展開となった。

5日には欧州委員会が2014年のユーロ圏成長率見通しを下方修正したことで、ユーロ売りが加速。さらに7日のECB定例理事会で、政策金利を0.5%から0.25%に引き下げられたため、一時1.3295ドルまで急落している。市場の一般的な見方は、12月利下げだったため、今回の利下げはサプライズとなったようだ。

ドラギECB総裁も定例理事会後の記者会見で「ユーロ圏は長期にわたり低インフレに直面する可能性がある」「ユーロ圏の成長見通しは引き続き下向き」などと指摘。景気や物価の先行きに慎重な見通しを示したほか、今後の金融政策についても、「政策金利を長期にわたり現行水準かそれを下回る水準に維持する」との従来の先行き見通しを確認。「ECBは全ての利用可能な手段を検討する用意がある」として、追加緩和の可能性も示唆した。

しばらく落ち着いていたかにみえたユーロ圏の経済情勢が、再び市場のかく乱要因に浮上したことで、今後は中国などの新興国経済に与えるマイナスの影響が懸念される。さらに、不透明感が出てきた米国経済の先行きや、金融政策の変更時期にも影響があるのか、注意が必要だろう。

来週は、13日にユーロ圏の9月の鉱工業生産高が、14日にはユーロ圏の7-9月期GDPの速報値がそれぞれ公表されるほか、15日には10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値の発表が予定されている。ユーロ経済が引き続き市場のかく乱要因になるかを占ううえで、注目の指標となる。

ドル円相場を巡っては、14日に発表される日本の7-9月期GDPの速報値が焦点。13日にはバーナンキFRB議長の講演もあり、量的緩和の縮小時期を巡るメッセージ次第では、相場が大きく動く可能性もあり、来週の予想レンジは広めにしておきたい。下値では10月25日の安値96円94銭が当面のメド。上値では9月11日の高値100円62銭が抵抗線となるだろう。

ほか、11月米NY連銀製造業景気指数が発表される。

ドル円は、来週にかけて引き続きレンジ相場が続きそうだ。日経平均が不安定な動きとなっているほか、目先の材料に一喜一憂することが多くなっている。レンジは広めに考えておきたいところだ。また、200日移動平均線の位置する97.73円が終値ベースでの重要なポイントとなっている。14日には日本、独、ユーロ圏の7-9月期GDP速報値がそれぞれ公表されるほか、15日には10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値が予定されているほか、11月米NY連銀製造業景気指数が発表される。いずれも相場を動かす可能性があり注意したいところだ。

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