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2013年5月18日放送

外国為替市場では、ドル全面高の様相となっている。円安ドル高の動きに気をとられがちだが、ドルの総合的な価値を示す指標「ドルインデックス」も、15日には84.094まで上昇。円安やユーロ安などを背景に、直近の高値を上抜けて、上値を試す展開に入っている。豪ドルやNZドル、スイスフランとの交換レートでも、米ドルの上昇が目立っている。

こうしたドル全面高の背景には、米国経済への強気の見方がある。市場では依然として米国の量的緩和=QE3の規模縮小観測が強い。16日にはハト派で知られるウィリアムズ米SF連銀総裁が「年内のQE停止の可能性」に言及しているように、FRB内部でも縮小や停止を巡る議論が活発化しているようだ。

米国経済への強気の見通しを受けて、米国市場では投資資金が債券市場から株式市場に急速にシフト。株価が最高値を更新する一方で、債券価格が急落するという現象が起きている。こうした資金の大移動=グレートローテーションはグローバルな規模で発生しており、日本市場でも国債価格が急落する場面がみられた。

しかし米国での株式市場への資金シフトは、日本とは比較にならないほどの規模で発生しており、世界の投資家の資金が、米国の株式市場に向けて動き始めたとの見方もある。この流れは簡単には変えられないのではないか。

ドル円はこれまでの95-100円のレンジを抜けて、100-105円レンジに移行した。ドルを十分に手当てできていない日本の機関投資家も多く、ドルの下値は堅そうだ。テクニカルな抵抗線は、101円18銭や99円95銭が下値のメド。上値は105円49銭が意識されている。

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