日銀は今週3〜4日に、黒田総裁になって初めての金融政策決定会合を開催。「次元の違う金融緩和」(黒田総裁)を決めた。この決定を受け、4日の外国為替市場では、1ドル=96円半ばまで円が売られ、1日で約4円程度の急激な円安が進んだ。翌5日もさらに円安ドル高となり、2009年8月10日以来、約3年8ヶ月ぶりの97円台をつけた。株式市場でも買いが膨らみ、日経平均は4年7ヶ月ぶりに一時1万3000円台を回復した。
今回の金融政策決定会合では、2年間で前年比2%の物価上昇を目指す「量と質の両面での金融緩和」の実施を決定。これまで短期金利(無担保コール翌日物金利)を誘導目標としていた政策を改め、マネーの量に切り替えた。さらに、国債だけでなく、ETFなどのリスク資産も買い増す方針を打ち出している。
黒田総裁の会見では、「戦力の逐次投入をせず、現時点で必要な政策を全て講じた」「必要ならちゅうちょなく調整していく」と述べ、白川前総裁との違いを強調。「政策を分かりやすく伝える」姿勢も示しており、今後の行動にも期待が持てる内容となった。
今回の決定について、マーケットでは「全く次元の違う緩和」との受け止めが大勢だったようで、急速な株高・円安の動きからも、市場関係者の期待が窺える。今後も株高・円安の流れが続く可能性が強い。ドル円、ユーロ円ともに円安に進む展開を想定しておきたい。