黒田日銀体制がスタートした。黒田総裁は26日に衆院の財務金融委員会で参考人として答弁に立ち、デフレ脱却に向けて強い決意を示している。
今までの日銀の金融緩和政策に関して、不十分であったとの認識を示し、量的にも質的にも今後大胆な金融緩和を推進していく必要があると述べている。加えて、物価目標2%を2年程度で達成することに対して責任をもって対応するとの意向を表明。日銀が持つ全ての機能を最大限に活用するとも言明している。
そこでまず注目されるのが、4月3〜4日に予定されている日銀の金融政策決定会合。ここでは、国債の購入枠の拡大が検討課題となる見込み。具体的には、白川前総裁の下で導入した「資産買い入れ基金」と、「通常の資金供給のための国債買い入れ枠」を統合し、量的緩和の規模を分かりやすく示すことが検討されているとみられる。
政府も、水面下で市場との対話の強化を模索している模様。また、日本の公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も今後、ポートフォリオの見直しに着手し、リスク資産の構成比率を増やすことを検討するようだ。
さらに、キプロスの混乱に関しては一応の対応がなされ、金融市場は落ち着きを取り戻している。こうした市場環境を考えると、不測の事態が発生しない限り、円安傾向は継続すると考えるのが妥当だろう。日本企業の決算期末に差し掛かっているため、市場は踊り場に入っているが、次の円安局面がいずれやっているのではないかと考える。
イタリア・キプロスなどの問題を受けて、ユーロ円相場は一時的に円高に進むリスクがある。ただ、金融市場は全体的には落ち着いた動きをみせており、ドル円レートは当面、ドルの底堅い展開が続くだろう。