今週は米国の住宅指標の強さが目立った。2月26日に発表された去年12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は、前年同月比6.84%もの大幅な上昇し、前月比でも0.6%のプラスとなった。同日発表の新築住宅販売件数も、市場予想の38.0万件を大きく上回る43.7万件。また、27日発表の住宅販売保留指数は予想2.0%に対して、4.5%という強い数字が発表され、米国の住宅市場が回復基調にあることを、改めて確認する結果となった。
実体経済の支えがあれば、米国の株式市場も底堅い動きとなっている。今週初には、イタリアの総選挙の結果を嫌って急落する場面もあったが、週半ばには持ち直しており、これも米国経済の強さを反映した動きだろう。
ただ、懸念材料もある。米国の強制歳出削減は、そのまま実施されれば、国防費を中心に850億ドル(約7兆8700億円)という巨額に上る。3月27日の暫定予算切れまでに、何らかの激変緩和措置が出てくるのではないかとの見方もあるが、議会での協議は進んでおらず、今後の波乱要因となる可能性がある。
イタリアの総選挙を受けて、外国為替市場では一時的にユーロ安となり、リスク回避の円高が進む場面があった。ただ、ドル円、ユーロ円ともに、その後は落ち着きを取り戻している。当面は方向感がはっきりしない展開となりそうだ。