先週末のG20声明では、「金融政策は国内の物価安定と景気回復を目的とすべき」という至極当たり前の内容にとどまり、特に日本を名指しするようなコメントは出てこなかった。
また、今週発表された1月21・22日のFOMC議事要旨では、幾人かのメンバーが「景気予測次第でQE(量的緩和)のペースを変更すべき」と主張したほか、複数のメンバーは「雇用市場が著しく改善する前にQE3の縮小、あるいは停止が必要な可能性」を指摘していたことが判明。米国の金融緩和が想定より早い時期に見直されるとの見方が浮上し、ドル高・円安要因として意識された。
さらに、IMFもG20の報告書のなかで「円安をめぐる懸念は行き過ぎ」「日銀はさらに強い決意でデフレ脱却に取り組むべき」などと指摘。むしろ円安を支援する材料が目立っている。
もっとも、最近のドル円チャートを見ると、円相場はとりあえず下げ止まった感があり、円安に向けた支援材料が数多く出ている割には、再び下落する動きにはなっていない。
ただ、日米首脳会談や日銀の総裁人事など、波乱要因となり得る材料が多く、市場が今後、どちらの方向に動くかは予断を許さない。
ドル円は昨年末からの上昇が速かったために高止まりしているが、下値はしっかりしている。ユーロ円はユーロで発表されている指標内容が悪く、少し売りが目立っているため注意したい。