今月はECB、FRB、BOJ(日銀)が相次いで金融緩和を実施した。その影響で株価が強含む場面もあったが、今のところ目立った株高、円安の動きは見られず、やや期待外れの感がある。この一因として、中国の景気動向への懸念が影響している可能性が強い。中国の代表的な株式指数である上海総合株価指数は一時、2000の大台を割り込み、年初来安値を更新した。
また、上海総合株価指数は年初から5%程度の下落となっているのに対し、日経平均は5%程度上昇。NYダウは10%程度、ドイツのDAX指数も20%程度の上昇となっている。アジアのその他の市場も、総じて上昇しているところが多く、中国だけが“ひとり負け”の状態だ。
中国マーケットはグローバル企業への影響も大きく、中国経済の先行きに対する不安が、結果として世界経済の足かせになっているようだ。
日米欧では、今後も金融緩和はかなり積極的に進められるとみられ、株式市場、外国為替市場とも当面はある程度安定した動きをみせるだろう。ただ、中国経済の動向が今後、再び株安・円高要因として働く可能性は否定できない。
株安の流れの中で、リスク回避と見られる円高が進んだ。ただし、日銀の金融緩和に対する思惑もあり、極端な円高は進みにくい。ドル円・ユーロ円ともに安定した動きとなりそうだ。