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2012年9月15日放送

FRBは12〜13日に開いたFOMCで、量的緩和第三弾(QE3)の実施を決めた。

FRBは声明で「FF金利を異例の低水準にすることが正当化される」期間を、従来の「2014年終盤」から「2015年半ば」に延長。さらに、市場から買い取るMBS=住宅ローン担保証券の額を、毎月400億ドル=約3兆円追加すると発表した。また、「物価安定の下で労働市場の改善が実現するまでMBSの購入を続け、追加の資産を購入するとともに、必要に応じてその他の政策手段を採用する」と表明。今回の量的緩和は、労働市場の見通しが大幅に改善するまで続ける意思を鮮明にするとともに、さらなる量的緩和に踏み切る可能性も示唆している。

なお、政策金利であるFF金利の誘導目標は、市場の予想通り0.0%から0.25%の範囲に据え置く。

この発表を受けて、市場では全面的にドル安が進んだ。ドル円は一時77.13円までドルが売られ、2月9日以来の円高ドル安となった。またユーロドルは、5月9日以来のドル安となる1.3002ドルをつけた。

今回の声明で、改めてFRBが雇用環境の改善の遅れを意識していることが明確になった。声明では、労働市場に改善が見られない場合、QE4、QE5に踏み切る可能性も示唆されており、ドル売りの背景にも市場の追加緩和期待がある。米国の雇用統計の動向は、今後も市場を動かす大きな要因となるだろう。

QE3の実施や追加緩和期待を受けて、外国為替相場では一時的にドル売り圧力が強まった。ただ、金融緩和は米国の株価にはプラスに働くため、今後はドル高要因に働く可能性もあり、ドル円も極端にドル安に振れる展開は想定しにくい。

ユーロ円は欧州の株価上昇を受けて、ユーロの下値は比較的しっかりした展開になるだろう。ただ、ユーロは財政問題が引き続き意識されやすいため、一方的に上値を伸ばすとも考えにくい。

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