欧州経済が引き続き厳しい状況になっている。格付け会社による国債や金融機関の格下げなども相次いでいる。特に問題なのは、財政危機が実体経済にも影響を及ぼしていることである。欧州各国が緊縮財政を実施した結果、その影響が各国のGDP成長率を軒並み失速させている。特にスペインやイタリアなど財政問題が深刻な国は、マイナス成長に陥っている。
ユーロ圏では今年、政権交代によって市場がたびたび動揺した。9月にはオランダが総選挙を控えており、やはり注目が集まるだろう。
また、10月、12月と欧州首脳会議を控えている。これらの会議でどのような議論が行われるか、現時点で予想することは難しい。ただ、これまでは少なくとも危機回避の対策を打ち出すことで、一時的にマーケットを落ち着かせることに成功してきた。ただ、その効果も長続きはせず、結果的にユーロは売られ続けている。こうした一時的な時間稼ぎが、果たしていつまで有効なのか。欧州の動向から今後も目を離すことができない。