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2012年8月4日放送

今週のユーロ円は週前半は落ち着いた動きだったものの、週後半には一転して荒い値動きに。ECBの動向に注目が集まるなか、一時96.99円まで一気に円安ユーロ高が進んだ。ただ、97.00円には届かず、その後は再び円高ユーロ安となり、94円台をつける場面もあった。

ユーロの動きを左右した最大の要因は、2日のECB定例理事会を巡る思惑だった。政策金利は0.75%での据え置きを決定。市場予想通りの結果となったが、その後の定例会見でドラギECB総裁から欧州債務危機への新たな対応策が示されるとの期待から、急速にユーロ買いが膨らんだ。しかし実際の会見では「ECBは利下げを協議した」「買い切り公開市場操作を実施する可能性がある」「一段の非標準的措置を講じる可能性があり、今後数週間で決定する」などの発言があっただけで、具体的な政策決定は先送りされた。このため、ユーロは一転して売り込まれることになった。

また、今週は1日にFOMCがあり、政策金利を0.0%から0.25%の範囲で据え置くと決定。これも市場の予想通りの結果となった。ただ、声明では「少なくとも2014年遅くまでFF金利を異例の低水準にすることが正当化される可能性が高い」など、従来の指摘を繰り返すにとどまり、大きな政策変更は示されなかった。市場では「異例の低金利の期間延長」など、追加緩和への期待が多かっただけに、その後は全般にドル買いが優位となった。

今週はBOEの定例理事会もあったが、こちらも特に変更は行われなかった。欧米の中央銀行は軒並み様子見姿勢を示したことになるが、これは状況の改善を意味している訳ではない。

ドル円・ユーロ円ともに、当面は方向感に乏しい状況とみる。特に今週はロンドン五輪開催中ということもあり、よほど目新しい材料が出てこない限り、方向感が出てきにくいだろう。

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