ギリシャでは20日、再選挙で第1党となった新民主主義(ND)、第3党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)、第6党の民主左派が、連立政権樹立で合意。NDのサマラス党首が首相に就任した。緊縮財政の実施が、国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)などから支援を受ける前提となっているため、新政府はこの緊縮策の条件緩和を目指し、再交渉を行う方針。
今回の連立政権樹立を市場は概ね好意的に受け止めている。ただ、これはギリシャのユーロ離脱という最悪のシナリオが一旦回避されただけであり、本質的な解決にはほど遠い状況が続いている。
また欧州以外でも、世界経済の減速が目立っている。今週、FRBはFOMCを開催し、政策金利を0.00%〜0.25%で据え置くことを決定。声明ではこれまで通り「少なくとも2014年遅くまでFF金利を異例の低水準にすることが正当化される可能性が高い」と指摘。「ここ数ヶ月で雇用の伸びが鈍化しており、失業率は高いままだ」として、雇用環境はまだ悪いと強調している。これを受けてバーナンキFRB議長は、追加の金融緩和の可能性にも言及した。
オーストラリア中銀(RBA)も、欧州や中国の景気悪化を背景に、さらなる利下げを示唆するコメントを発表。景気悪化への警戒感をかなり強めている。世界経済の厳しい状況はまだ続くだろう。
日本の政局不安などを材料に、一時的にドル高円安、ユーロ高円安が進む場面があった。ただ、米国では金融緩和の可能性があり、ユーロは引き続き問題が山積している。ドル高もユーロ高も、継続的に進むとは考えにくい。