今週末に行われるギリシャの再選挙は、マーケットにとって非常に重要なイベントである。しかし、現段階で結果は全く予想がつかない状況だ。
仮に急進左派連合(SYRIZA)が勝利した場合、ユーロは大きく下落する可能性が高い。また他の金融市場にも何らかのマイナス影響が出てくると考えられる。急進左派連合が掲げている公約は、EUからの支援を維持しながら財政緊縮策は停止するという虫のいいものだが、EU・IMFがこれを受け入れるとは考えがたい。つまり、公約の現実性は乏しい「絵空事」と言わざるを得ない。この点をふまえると、急進左派連合が勝利すれば、ギリシャがユーロ圏から離脱する可能性が格段に高まるだろう。
逆に新民主主義(ND)などの緊縮政策支持派が勝利すれば、EU・IMFからの融資は継続的に実施される見通しがつく。市場に安心感が広がることによって、一時的にユーロが更に上昇するという展開になる可能性が高い。
ビッグイベントを控えるユーロ円相場は、3月21日につけた111円43銭の高値をピークに、6月1日に95円59銭まで下落。その後、若干持ち直しの動きを見せ6月11日には100円90銭の高値をつけている。今週は小康状態となっているが、週末以降はギリシャ問題が再びクローズアップされることになる。先行きは不透明な情勢だが、非常に荒い動きになることも想定される。
ユーロ円はギリシャの再選挙次第で、上下どちらにも、そして大きく動く可能性がある。また、ドル円についても、ユーロ円の動きと連動するかたちで荒い動きになりそうだ。