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2012年6月2日放送

今週もユーロ圏では、スペインを中心にネガティブな話題が相次いだ。しかし、ネガティブな状況はユーロ圏だけに留まらない状況だ。

30日に発表されたインドの1−3月期GDP成長率は前年同期比でプラス5.3%となり、7年ぶりの低成長にとどまった。中国も景気減速が続いており、1−3月期の実質成長率はプラス8.1%と3年ぶりの低さとなっている。さらには「BRICs」ともてはやされたブラジルも同じ、2010年頃は10%台だった成長率は、現在1%台と急ブレーキがかかっている状況だ。

このような経済状況に各国は対策を打っている。例えば、ブラジル中銀は5月29日から30日にかけて開催した金融政策委員会において、政策金利を全会一致で0.5%下げて8.5%とした。2011年8月から始まった利下げはこれで7回連続となった。今回の声明文のなかに利下げ打ち止めを示唆する内容は見当たららないことから、次回7月の委員会でも利下げを実施する可能性が高い。

また中国は預金準備率を下げつつ、インフラ事業を前倒しで行う景気刺激策を実施。インド中銀も4月に約3年ぶりに利下げを行なっている。現在のように世界経済が密接に影響しあっている環境下では、ユーロ圏の問題は世界中に波及し、各国経済の足かせとなっているため、新興国だけが好調を維持するのは難しい。

世界の経済環境は、引き続き厳しい局面に立たされているといえるだろう。

ユーロ圏の問題が引き続き強く意識され、ユーロ円はユーロ売り・円買いが進みやすい状況。それに伴い、ドル円でもドル売り・円買いが進みやすい状況であると言えそうだ。

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